入試期間、家族にできること
来週からいよいよ入学試験です。
今日は受験生の皆さんが実力を発揮できるよう、在校生が心をこめて準備しました。
著書『伸びる子の育て方』の巻末にある受験準備のチェックリストをこの日記を読んでくださっている皆さんにもシェアさせていただきます。
受験期間中、お父さん、お母さんの一番の仕事は、「笑顔でいること」です。
入試期間中は思いがけないことが起きるものです。このリストを活用して、週末にもう一度、シミュレーションをし、親御さん自身が気持ちの余裕を持てるようにしていただけたら幸いです。
そして、お子さんとは「終わった後の楽しいことをシミュレーション」です。終わったら食事に、春は旅行に、と明るいビジョンを持たせてあげてください。
・持ち物は学校ごとにチェック表で確認。書類は取り違えないように学校毎にファイルしておく。
・体調不良に備え、マスク、鼻血対応のティッシュ、エチケット袋も持っておく(本校では教室に用意してあります)
・着る物は着やすくて温度調節ができるものを。(保護者室が寒い学校もあるので、親御さんも備えて)
・前日は消化のいい物を早めに食べて寝る。(寝られなければ「それが普通。みんなそうだから大丈夫」)。朝、食べられなければおむすび持参でも。とりあえず、試験中、空腹にならなければOK。
・移動時間はもう一度シミュレーション。土日はダイヤが違うことも。万が一に備えて他の路線があれば見ておく。
・受験校の電話番号は控えておく。もしものときはまず連絡を。
・テストの後、結果は聞かない。結果で叱らない。(本人が一番感じています)ただ、理社の時事問題はその年の傾向があるのでチェックした方がいいかも。そのとき、ケアレスに気づいてがくっとしたら、「次はどうしたらいい?うん。それなら次は大丈夫」とよいイメージに変えてあげて。ただし、それもあまり疲れているようなら終わったことには触れずに、リラックスさせることを優先に。
・学校によって過去問の傾向が違うときは、次の学校への切り替えを。(句読点の数え方が違うことも。慌てて時間切れにならないように時間配分のシミュレーションなどもしておく。満点は取らなくていい、合格点をとればいいので。)
・併願校で最後まで迷ったら、とりあえず出願だけダブルでする方法も。偏差値だけでなく定員、倍率も見る。(受験料はもったいないが、どういう心理状況になるか分からないので、それに助けられることも。)
・得点開示があれば利用する。現実を見て臨機応変の対応を。その際も、お子さんの未来から逆算し、大きい問題と小さい問題を分け、軸はぶらさずに。
・併願パターンに合わせて合格後の手続きまでを事前に一覧に。学校は期限には厳密。気が抜けてうっかりしないように。
・受験番号は他人に言わない。受験校の同じ親しい友人との行動もどこまで一緒にするか事前に考えておく。(合否が別れたときが辛いので)
・第二志望以降は数字をつけず、どこが好きかを話題にしておく。公立の悪口も言わない。
・不合格になった学校の悪口を言わない(あきらめたころ繰り上げがくる学校もありますし、手に入らなかったものを否定する概念が入ると、責任感や向上心がなくなります)
・合格した学校に「あなたを認めてくれた」という言葉を使わない。(選んで受けてくれた受験生を認めていない学校はありません。合否は本人のとった点数の結果です。逆の場合に否定された気持ちになってしまいます。)
・万が一の場合を考え、親類縁者、人手を確保しておく。手の抜けるところは抜けるよう、自分でなくてもできること、他の人に手伝ってもらえることがあれば頼んでおく。(一段落してからでも大人同士のフォローはできます)
・何かあっても親は慌てた顔をしないで。お子さんが落ち着いて受験できることを最優先に。
・自分自身の精神状態を安定させるため、入試期間中の息抜きの時間や場所(お茶の時間、好きなスイーツ、部屋に飾る花、待っている間に読む楽しい本、愚痴を言える人等々)も確保しておく。(お母さんが泣いて子供が慰める場面を何度も見ました)
・下の子のケアを疎かにしない。(「お姉ちゃんは受験だから仕方ない」が通用しない年齢もあります。)
・未来を犠牲にしない。(受験はとても大変で大きな出来事ですが、お子さんの長い人生から見たら一時のことです。未来を見たとき受験より大切な価値観は見失わないように)
・複数の学校に受かって迷ったら、他人の評価や動く数字でなく価値観を優先して。最後は子供自身に決めさせる(入学後、思い通りにならないことは必ずあります。そのとき、乗り越えられる子は自分で選んできた子です。)
30年、この世界にいて、しみじみ思うことは、3つです。
「受験のその後の人生は長い」
「入学することになった学校がその子にとって一番いい学校」
「結果がどうあれ、受験勉強の過程で得た財産は消えない」
試験が終わったら、どうか笑顔で、これまで頑張ったお子さんとご自分自身をねぎらってあげてください。
受験生の皆さんが、これまで努力した実力を発揮できるよう祈っています。
*私は国語が専門なのですが、試験問題を作成したり、他校の問題を解いたり、受験生を指導したりしたときの経験をまとめて、「国語であと5点」というシリーズをブログにアップしたことがあります。過去問を最終点検する際、お役に立つかもしれません。
入試関連の仕事が一段落するまで校長日記はお休みします。