2015年8月27日

⑥大学出張授業(明治大学コミュニケーション学部)

Filed under: 世界,授業・学習・進学 — 漆 @ 4:00 PM

昨日はグロービス経営大学院にいらしている各国からの留学生の皆さんがお越しになり、5年生の希望者が参加してコラボ授業をしました。生徒が日本文化を英語で紹介し、質疑応答、プレゼンのフィードバックをいただいていました。今日で三日目だったのですが、教室を覗いてみると、和気藹々、英語で伸び伸びとコミュニケーションを取っていました。この様子は後日。

今日は、英会話学校のベルリッツから講師を派遣してもらい、5年生が参加して講座を行いました。講師の英語がCNNのニュースを見ているようなスピードでしたが、生徒がついていっているので、自分の時代を振り返り、うらやましかったです。

そして、こちらも5年生ですが、SGHの一環で行っている家庭科の問題解決型のCBL授業の発表会のため、今日からオーストラリアに代表班が出かけて行きました。

様々な機会を設けて、生徒達が将来羽ばたく世界に向けて視野をひらけるようにしていきたいと思っています。

さて、大学出張授業、「明治大学コミュニケーション学部」を担当の伊藤から報告です。

明治大学情報コミュニケーション学部、大黒岳彦先生に「情報社会入門」をテーマに講義をしていただきました。
情報社会において2015年に起きた3つの大事件があります!というお話しから始まりました。
まずそのうちの2つは、1月Googlegrass販売中止と4月Applewatchの発表。
電話とスマホが違うように、時計とApplewatch、眼鏡とGooglegrassも大きく違います。
そして大きな特色として、身体の情報をたどる機能、視線を追って処理する機能があるのです。
こういった【wearable(身につけられる)】機器がこれから先、主要なものになっていきます。2015年はwearable元年、とっても重要な転換点の年なのです。

2015年の大事件、残りの1つは6月のPepperの発表。(特別講座で接してきた生徒は目を一層輝かせていました。)ヒューマノイドロボットではAsimo、Qrioに続く発表ですが、2つと決定的に違う点があります。メーカーではなく通信事業社の開発であり、一般発売されたということです。
二足歩行機能のない、コミュニケーションを目的としたPepperは、ひとびとの手に渡る初めてのヒューマノイドロボットなのです。
メディアの王様は、映画→ラジオ→TV/PC→スマホと移り変わってきました。
スマホのあと、これから頂点に君臨するのは、wearable機器とヒューマノイドロボットです。

そしてこの裏には、集められる【Bigdata】があります。
従来のデータ処理では追いつかないほどの大規模なデータは、マーケティングに有効。
twitterが広告を出さず、大企業の傘下にも入らずいられるのは【Bigdata】を売っているから。
「いつ」「どこで」「何が起きている/どう感じている」という本音がたくさんの人によって投げられているtwitterという場は、【Bigdata】として価値あるものなのです。
【wearable】なGooglegrassとApplewatch、そして人とコミュニケーションをとるPepper。

この3つはすべて、Bigdata収集端末でもあります。
Googlegrassは視線データを、Applewatchは身体情報を、Pepperは感情データをひとつのクラウドにまとめます。
「いつ」「どこで」「何が起きている/どう感じている」という膨大な量の情報。
「誰が」はまったく関係なく、「人々の無意識」と「人工知能」とのやりとりによって、ひとには処理しきれないほどの大規模なデータを集め、それをもとに様々な世界が切り開かれていきます。
これからの情報社会は、そのように変わっていくとのお話しでした。(重ねて、【Bigdata】を集めることと個人情報が奪われるのは違う話で、個人情報を握っているわけではないとのこともお話しいただきました。)

 2015-07-16 10.44.58 (2) 大黒先生の「予言」も含めた、情報媒体と社会との関係をよみとる学問の世界に、生徒は夢中になって聞いていました。ふたつ覚えて欲しいと強調された【wearable】と【Bigdata】は、強く心に残った様子でした。

また、質疑応答の時間のなかでは「華の情コミ」の様子も、お話しくださいました。
大学生活のイメージもすこし膨らんでいたように想います。とってもおもしろかった!と終わった後も興奮気味な生徒達。
充実した時間をつくってくださった大黒先生に心より感謝申しあげます。