シンガポール・リーダーシップ研修
今年から、SGHの一環として、シンガポールで行われるリーダーシップ研修に5年生の希望者が参加することになりました。各国の生徒と交流した様子をこの研修を企画、引率した遠山から報告します。
「グローバル化するアジアを感じたシンガポール研修」
リークアンユーは、英語をシンガポールの公用語としました。学校教育はすべて英語で行われています。
7月20日、シンガポール第一日、シンガポール政府から環境副大臣が、シンガポールの発展したこの50年の歴史を中心に基調講演を行い、講演のあと、各国から参加した生徒から質問を受け付けることになりました。 現役のホスト国の副大臣に質問をする生徒などいないだろうと思っていました。事前に質問担当者の指名、準備もありませんでした。ところが、中国、マレーシア、韓国、フィリッピン、台湾、そしてもちろんホスト国のシンガポールなどすべての参加国の生徒が次々に手を上げて、堂々と質問をするのです。質問の挙手を上げなかったのは日本の生徒だけでした。
二日目は、シンガポールがリーダーシップを発揮するためにまず大切にしてる、仲間への信頼、また弱者への配慮などのさまざまな目的にそったアクティビティがグループ毎に行われました。またシンガポールが環境都市として世界の見本になった施設の見学にもグループ毎に参加してワークシートを完成させました。
三日目には、スポーツ、環境都市開発、環境港湾サービスなど、シンガポールの企業のトップが来校してグループに分かれて、パネルディスカッションが行われました。 ここでも生徒からの質問時間があり、シンガポールの高校の生徒が次々に質問。
品川女子学院の生徒も何と、頑張って手を上げました。「日本の港は国際的にランクが低いようですが、日本の港についてどう思いますか。どうすればよいでしょうか。」と英語で質問しました。 講師は「日本も民間に港湾サービスをもっと任せればよくなるかもしれない。アジアの港湾でサービスの一位は上海、二位はシンガポールです。これらの港湾は365日24時間貨物を受け入れています。世界とつながっていることが、重要だと考えています。」と丁寧に答えてくれました。日本の港湾は28位と低いランキングでした。
このように、セミナー中に政府高官、産業界トップ、その他非営利団体の幹部が参加して、それぞれの役割について語り生徒との意見交換をしました。
リーダーとしての資質を身に付けるトレーニングとして、後半は、15時間にわたるロールプレイ演習に参加もしました。
週前半に学んだ知識を活用し、戦略を立て、効果的に15分のプレゼンの準備をします。 品川女子学院の生徒はばらばらになり、15時間のグループワークを各国から参加している生徒たちと英語で行いました。 週前半に学んだ知識を活用し、戦略を立て、効果的に15分のプレゼンの準備をします。プレゼンでの役割も自分たちで決めるという、リーダーシップを試されるセッションとなりました。 このシンガポールのリバーバレーハイスクールで、カスタマイズされた内容で、研修が行われ、研修中はすべて高校2年生がファシリテーターとしてリードします。
さまざまな活動やその過程で、各国から参加している生徒との相互理解を推進し、自分で判断ができるよう、責任、規律、感謝の気持ちを学びました。
ディベート大会の報告でもお伝えしましたが、欧米だけでなく、アジアの子供達もグローバル化する社会に向けて、英語で堂々とコミュニケーションができるように育てられています。日本を一歩出るとその勢いのすさまじさに危機感すらおぼえます。
この研修も、昨年、SGHでシンガポールに行ったことをきっかけに、教員がリバーバレーハイスクールと交渉し、早速、実施しました。生徒のためになると直感したことは、どんどん取り入れていかないと、世界のスピードにとても追いつけないのです。
チャレンジには手間と失敗がつきものです。それを怖れない(怖れていても、歩みはとめない)教員と生徒、そして一緒に前に向かって進んでくださる保護者のみなさん、そうした品川ファミリーに品女の取り組みは支えられています。
こうした恵まれた環境で得たものをいつか生徒が社会に返してくれることを願っています。