⑤大学出張授業(青山学院大学経済学部)
大学出張授業、「青山学院大学経済学部」を担当の飯塚からの報告です。
「経済をデザインする視点」
青山学院大学経済学部現代経済デザイン学科 西川雅史先生経済学と経営学とは違います。
経済学は、経済全体を見渡し、経営学部や商学部は、企業などの直接の経営に関わります。
日本の経済をデザインすると言う視点で、お話ししていただきました。
議論の前提条件は、財政制約・人口減少・地域間競争です。
日本の財政は、今、大赤字です。2012年では一般会計歳出は、一般会計税収の2倍です。
2014年度の予算は、43%が公債金です。
2040年までの人口減少率の予想は、秋田県で-35.6%です。国内での地域較差(ある事実としての「差」があるというだけの意味で使うには「格差」より「較差」の方がよいということです)があります。
政令指定都市・特例都市・中核都市が増え、普通の町や村は人口が減ってきています。それと同時に、それらの都市と比較して、サービスなどの差が出てきています。市区町村の人口規模の較差は大きい。
20万人以上の都市の数は、130団体で、全体の7.5%。その総人口は6544万人で、全体の51.6%です。それと比べて、2万人以下の人口の団体が937団体で全体の54%、その総人口は1085万人で、全体の8.6%です。
サービスや金銭面での差が出てきます。たとえば、福岡市の公務員の賃金は45.32万円、宮崎県椎葉村では32.92万円。
子供の医療費の補助金は、東京都では、15歳までありますが、ほかの県ではほとんどが就学前(6歳)までです。では、経済をデザインするとは、具体的にどういうことなのかと言いますと、
■税金をデザインする
法人税減税をすれば、海外の企業が国内に入ってきたり、雇用が増えたりします。
消費税は、薄く広く取るためには良い方法です。
ただし複数税は、運用上問題がある。
そこで、簡素な給付による消費税であれば所得の低い層には負担が少ない。
T(税額)=-2(給付額たとえば2万円)+0.1C(消費額)
この公式で行くと、100万円の消費までは税の負担は8%となり、10%の負担はありません。■まちをデザインする
2~3キロ圏内に人を移動します。コンパクトなまちづくりをして、人口を集中させます。
交通のネットワークの重要性。
多くの交差が生まれる道路網をつくり、ハブとなる都市をつくることが大切です。ハブとなる都市は人口も多くなり発展しています。ただ、デザインも失敗する例があります。これも事実。
中国河北省の工業都市建設は失敗し、ゴーストタウン化しています。
生徒達にとっては、興味深く、また、身近な問題点なので真剣に聞きいっていました。このような日本の事情を知った上で、将来の選挙に臨みたいものです。