未来に必要な力
今日は中間テスト三日目です。下校に続き、登校時も試験勉強に気を取られて周りの方への配慮を欠いているとのご注意をいただきました。自分のことをする前に、まず、周囲を見渡して人の迷惑になっていないか、自分にお手伝いできることはないか、余裕のないときでもそうした心遣いができる品女生であってほしいです。
さて、昨夜はデンマークの教育関係者の講演を聞いてきました。デンマークでは、女性が働くのが当たり前なので、子供は一歳から預けるのも当たり前だそうです。
教育は、以前の「各教科で一定の到達度に向かって一斉授業をする」というものから、一人一人が大人になったとき、コンピテンシー→社会で活きる力が身についているよう、また、自ら学び続ける心が育つよう、教員が教材も個別に作って対応するそうです。そして、生徒の力を付けることと同じように、その授業で生徒の満足度がどうだったかも重要視されます。
コミットメントは外側からコントロールされるものではなく、個人の内的なエネルギーから発するもの、という言葉が響きました。
これからは親も教員も「教えすぎないこと」が大切な時代になります。変化が大きく、これまでの経験では予測できない未来が来るからです。そんな時代を生きる子供達にとって、大切なのは、今ない課題を見つけ仲間を作って解決していく力です。
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供達の65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」(キャシー・デビットソン/ニューヨーク市立大学教授)
「今後10~20年程度で、約47%の仕事が自動化される可能性が高い」(マイケル・A・オズボーン/オックスフォード大学准教授)
週末、社会起業、ICTを活かす働き方、テクノロジーが拓く未来といったテーマのパネルディスカッションを見てきました。
生徒達が大人になる頃、働き方は大きく変わります。自宅に居ながらにして、世界とつながって仕事をする女性も増えるでしょう。(遠隔会議システムはテレビ会議を越えて、自分の代理ロボットが現地で動く域まで来ています。)
人工知能の発達で、人が分担する仕事も大きく変わるでしょう。(これまでの人工知能は、大人にとって難しいこと〈高度な計算など〉はできて、子供でもできること〈犬と猫の顔を区別する〉ができなかったのが、今年、その分野でも人の力を上回る技術ができたそうです。)
そのときに、人間がするべき仕事は何なのか?例えば、膨大なデーターを、社会課題の解決に活かすべく分析して結びつける仕事ができる人が求められているそうです。
そのためには、「数学」でデーター分析力を身につけ、それを課題解決に活かそうという志と使命感を学校生活の様々な場面で育んでいく必要があります。
これまでの日本の教育が求めてきた数字に表れる力「認知力」と新時代を幸せに生きる力の9割といわれる「非認知力」を同時に育てることがこれからの親、教員の使命なのだと、あらためて感じています。