池上彰先生特別講座 第3回
文化祭が終わり、一段落したと思ったら、中間テスト前二週間を切り、昼休みの職員室前は質問の列、放課後はお呼び出し補習が頻繁に入っています。マルチタスクの品女生。「通学のスキマ時間にも勉強して・・・」などというつぶやきが聞こえてきます。
そういう私も、きのう手帳で年末までの予定チェックをしていたら、ほぼスキマなしの自転車操業状態。もう少し、先を見通して計画を立てなければ・・・と、反省。
生徒たちは、今からトレーニングをしていますから、きっと、大人になるころには、私のようにはならないでしょう。
さて、というわけで、だいぶ間が空いてしまい、回も前後しますが、一学期に実施した池上彰さん特別講座の3回目の報告が上がってきましたので、担当の石渡からご紹介します。
6月15日、特別講座「池上彰先生と学ぶ」第3回目の授業を行いました。 (この講座は5回シリーズで、『世界を変えた10人の女性』(池上彰著)を教材に授業を行います。この本は、歴史上名を残した10名の女性について、池上先生がお茶の水女子大学で行った講義を収録したものです。) 第3回は看護医療の世界に現代科学の考え方を取り入れた「フローレンス・ナイチンゲール」を題材に授業を行いました。
今までの2回はいわゆる「文系」の教員と池上先生が組ませていただき、法学、社会学を中心に議論をしてきました。第3回と次の第4回はガラリと変わり、「理系」の教員がサポートさせていただきました。このように1つの講座の中で様々な視点で学ぶことができるのが特別講座の良い点です。
第3回のメインテーマは「科学とは何か」。まずは導入として生徒に『UFO・宇宙人、相対性理論、タイムマシン、かなしばり、環境問題、人権問題』を科学と非科学に分けてもらいました。もちろん正解はありません。
本の中で、ナイチンゲールの科学的といわれる側面を池上先生は「エビデンス力」と表現されていました。意訳すると、因果関係をはっきりさせることが科学の1つの側面であるということです。今回の最終課題は、それを逆手に取り、『用意された雑多なデータを組み合わせ、勝手に「とんでも理論」をつくる』ということをやってみました。
『頭が良いと胃がんになりやすい』『バナナは世界を救う』などなど。
明らかに変だけど、データからそれらしい理由を付けることはでき、それを論破するのはコツが必要。
因果関係と相関関係、データの掛け合わせ。しっかり考えると難しいことを直感的に身近な問題として考える。非常に楽しいワークショップでした。