特別講座「池上彰先生と学ぶ」第4回目
池上彰さんにお越しいただいた講座の報告です。
テーマによっていろいろな教科の教員が企画を立て、ティームティーチング形式で授業をさせていただきました。数学担当の中山より。
特別講座「池上彰先生と学ぶ」第4回目の授業を行いました。
前回(第3回)の最終課題でおこなった『用意された雑多なデータを組み合わせ、勝手に「とんでも理論」をつくる』ということをふまえて、数学科からの視点で学ぶことを考え、今回のメインテーマは『数的データやグラフから世の中を読む』としました。
社会や経済動向、企業の経営状態、世論調査や国勢調査など、世の中にはさまざまな数的なデータやグラフが存在しています。私たちの身の回りにおいてもよく目にするさまざまな数値。これらが良くも悪くも人に訴える力は非常に大きいということを実感してもらおうというものです。
まずは、数字やグラフを「見る」側の立場として、さまざまな広告や宣伝などから特に数字やグラフに注目して感じた印象などを話しました。どれも全くウソを書いてはいないのだけれど、数字による印象の与え方の違いや見せ方(表現の仕方)などから、
与えられる印象を実感してもらいました。
そして、実際に既存のグラフデータから、グループごとに1つ選び、そこから分かることや推測できることを考え、また、併せて欲しい条件を挙げてそれによって得られそうな将来の予測してみるということを行いました。
本の中でナイチンゲールの科学的といわれる側面を池上先生が「エビデンス力」とおっしゃっていました。単線でなく違った角度から物事をみることが大切である、統計学を意識して、さまざまなグラフの用い方や見せ方などもあわせてお話しいただきました。
後半は「見せる」側の立場として、数のみの与えられたデータをもとに、どうやって相手を説得させられるか?をグラフなどを用いてグループワークをしてもらいました。
そして最後に『「品川女子学院」という商品を、池上先生に買ってもらうために、数字を用いてアピールしよう』ということで、全てのグループが池上先生に数字やグラフを用いたプレゼンをおこないました。
生徒からの感想です。
■数字の影響力について、言われてみて改めて気づくことや、それを使うことでのアピールは大変興味深いものがありました。
■普段は統計のグラフなどを、本当にそうなのか?と疑問を持ったことが無く、また、統計は人間の心理も利用しているのを知り、改めて深く知れて楽しく参加することができました。この二回の授業で数学や理科に対する印象が少し変わった気がします。
池上先生、大変なご多忙の中、本当にありがとうございました。
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