2012/3/28 水曜日

19教科イチ押し見学会(ソニー生命保険)

教科イチ押し見学会、引率の大川から報告です。

ソニー生命から16名の方をお招きし、校内のCAI教室で3~5年生の36名の生徒が参加し、生きていくために必要なお金のことを中心に、ライフ・プランニングについて学習しました。

学年ごとに7つのグループに分かれ、それぞれのグループに2名ずつソニー生命の方にアドバイザーとしてついていただき、まずは授業の趣旨と例を説明していただきました。
ここで紹介された例は、かなり極端かつ無謀なケースで、夫がフリーターでお金を使いまくり、結果として大赤字となり、借金で首が回らなくなるというものでした。
この例から、生徒たちは、よく考えてお金を使っていかなくてはいけないということを確認します。
しかし、この後、実際に自分たちでやってみると、一グループを除いて、すべてのグループが赤字となってしまいました。
夢だけ追い続けると出費がかさみ、かといって現実だけを直視するとおもしろみのない人生になってしまう、落としどころをどこにするかという点を考えながら、ヴァーチャルのライフ・プランニングが始まりました。

まず、1時間目は男女様々なキャラクター(キャスト)をリストの中から選んで、仮想夫婦を設定します。
男性キャラクターでは、「国立大学卒業で区役所勤務の山内誠さん」や「私立大学卒業で電機メーカー勤務の金田浩さん」など、女性キャラクターでは「私立薬科大学卒業で薬剤師の薬師寺陽子さん」や「私立短期大学卒業で保育士の児童真由美さん」などの中から選んで、仮想夫婦が成立します。その後、具体的に夫婦の働き方や家族構成を考えながら、ライフ・プランニングをしていきます。

子どもをいつ何人産むか(名前も決めます)、子どもの教育はどうするのか、住居は、自家用車は、旅行は、趣味は、などなど、様々な場面を想定し、必要な情報をソニー生命の方にパソコンで入力していただきます。

例えば、子どもは公立の学校に通わせるのか、それとも私立に通わせるのか。
住むところは賃貸か、それともマンションや一軒家をいつ、いくらで購入するのか、別荘(!)を買うのか、旅行はいつどこへ(国内か海外か)行くのかなど、具体的に人生設計をしていきます。

この段階では、生徒たちはとても楽しそうに、かついきいきと課題に取り組んでいました。
いろいろなイメージや夢がふくらんでいるのが、傍から見ているとよくわかります。
しかし、個々の事柄を優先して考えているので、まだ具体的に生涯全体でいくらかかるのかということを考えきれていないので、出費がかさんでいきます。
そうこうするうちにあっという間に1時間目が終了しました。

~ある班の例~
夫婦:二人とも正社員で働き続ける
子ども:3人(男・女・女)、3人とも幼・小は公立、中・高・大は私立
住居:今は賃貸、将来は購入(34歳の時、頭金1000万円で6000万円の物件を購入)
小遣い:夫6万円、妻4万円
趣味:妻の料理教室とテニススクール代として毎月1.3万円
車:35歳の時に400万円のミニバン、42歳の時に250万円の普通車、53歳の時に300万円の普通車を購入
旅行:38歳の時に75万円で沖縄、43歳の時に125万円でハワイ、54歳の時に100万円でヨーロッパ、70歳の時に200万円で世界一周の旅行をする
 
休憩を挟んで、2時間目。
この時間は、「ライフ・プランの改善策」「ライフ・プランニング結果の検証」を行いました。

まずは、1時間目に入力した情報に基づいて、コンピュータで家計の収支を見ていきます。
すると、人生のいつの段階で家計が行き詰まるのかということが瞬時に判明します。40代までは順調だったのが50代から老後にかけて借金がかさむケース、逆に老後は安泰のケースなど様々な結果があらわれました(もちろん、ずっと赤字続きという班もありました)。
さて、ここからアドバイスをいただきながら、収支の改善に取り組んでいきます。
譲れるものと譲れないもの、妥協できるものと妥協できないものをチョイスしながら、人生全体を見通してライフ・プランニングを進めていきます。
そうすると、同じものを買うにしても、教育費がかさんでいる時ではなく、子どもに手がかからなくなった時に大きなものを購入するなど、買う時期をかえることで赤字を減らすこともできることがわかってきます。
いつ、どのタイミングで、何にいくらかけるのかという工夫をすることを考えながら、そして出費を抑えていくことで、最終的には、すべての班が赤字を解消することができました。

最後にソニー生命の方と生徒たちがライフ・プランニングにおける工夫を報告し、授業は終了となりました。

お金の面からライフ・プランニングをするという、普段あまり考えていない視点でのプログラムであったため、参加した生徒たちからたいへん好評を得ることができました。
末筆になりましたが、本企画のために貴重な時間を割いていただいた、ソニー生命社員の方々に感謝申し上げます。

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