2019年3月16日

⑨教科イチ押し【江戸東京博物館】

Filed under: 社会 — 漆 @ 12:53 PM

今日は、卒業式の予行を行いました。一人一人の顔を見ていると、成長したなぁとしみじみ。無事6年間を終了するまでには本人にもご家族にもいろいろなことがあったと思います。

先日、卒業パーティーを企画している保護者の方々とお話ししたのですが、品女カラーのストラップや制服のチャームを身につけていて、娘より自分の方がさびしくなるとおっしゃっていました。6年間も通うと、ご家族もすでに品川ファミリーです。

昨日も今日も卒業生が沢山訪れていました。就活の相談、部活の送別会、大学院や就職や留学の報告、広等々。なんとなくふらっと寄ったという子も。月曜の卒業式のあとは寂しくなりますが、また、こうしていつでも戻ってこられて、そこになじみの教職員がいることが私学の良さです。

教科イチオシのつづき。住谷より以下報告です。

1年生12名で、両国にある江戸東京博物館に行きました。
小学生の時に行ったことがあるという生徒も数名おりましたが、今回は特別に学芸員による解説及びボランティアスタッフによる案内をお願いしての見学となりました。
まずは会議室にて、学芸員としてお勤めされている市川様より、江戸東京博物館と他の博物館との違い、江戸時代の文化の特性についてお話をいただきました。
他の博物館や美術館が展示品を見るところなのに対し、ここはレプリカをたくさん置いて、触れながら見ることができる博物館である、また、他は有名な人物に関するものが多い中、ここは庶民の暮らしを再現したところで固有名詞があまり出てこない博物館である、と。何度か個人的に訪れてその特殊性には少し気づいてはいましたが、的確に言われて、ああなるほどと納得しました。
また、江戸の庶民文化の特徴について、浮世絵を例にお話しいただきましたが、同時代のヨーロッパ絵画が宮廷を中心に王侯貴族のお抱えのもと、その注文に応じて作られていたため、一点物が多い、また多くの画家が死後評価されることが多いのに対し、江戸時代の浮世絵などは、庶民の好みに合わせて題材が選ばれ(歌舞伎役者や富士山など)、多色刷りによって大量発行されていて、その販売によって作者は存命中に収入を得ることができていたとのこと。現代の芸術活動の形が先んじて行われていたのが江戸時代の日本であったというお話に、生徒たちも多少難しい部分がありながらもなるほどと感心していました。
貴重なお話をいただいた後、3グループに分かれ、ボランティアガイドさんに案内されて主に江戸コーナーを見学。当時の江戸の街並みのジオラマや実物大の日本橋や歌舞伎小屋を見ながら、当時の人々の生活に思いを馳せていました。また、グループによっては歌舞伎の効果音に使っていた道具を実際に鳴らしてみたり、火消しの纏を持ってみたり、人力車や自転車に乗ってみるなどの体験もしていました。解散後もガイドさんに質問をしたり、ミュージアムショップで珍しい品に興奮していたり、もう少し見たいと残って見学を続ける生徒もいて、生徒たちにとって有意義な時間だったと感じました。
来年の社会は歴史を学びます。歴史が名もなき人々が紡ぎ継承してきたものだと感じてくれればと思います。
ご協力いただきました市川様をはじめガイドの皆様、本当にありがとうございました。