2016年11月18日

高円杯スピーチ・未来の仕事・大学出張授業つづき

Filed under: その他,世界,卒業生,社会 — 漆 @ 5:05 PM

今週の中等部朝礼は高円宮杯全日本中学校英語弁論大会に出場した3年生の安井さんのスピーチを聞きました。68回目となるこの大会は、戦後間もない昭和24年日本の立ち直りのためには青少年のための英語教育が必要であるとの考えから創設された国内最高レベルの大会で、現在は東京オリンピック招致でもスピーチされた高円宮妃殿下が名誉総裁をされています。10月に各都道府県で予選大会が行われ、安井さんは59人の出場者の中、代表の5人に選ばれました。
来週11月23日から全国の代表者が東京に集まり、地区大会が行われ、最後に決勝大会があります。土曜のオープンキャンパスでも発表してもらいます。安井さんがトピックに選んだ「もったいない」というテーマは去年の文化祭でクラス発表したものとのこと。日頃からこうした問題意識をあたためて、行動していることが伝わってくる内容でした。

先週の高等部朝礼では、未来社会の仕事についてお話しました。テクノロジーの進化がどう影響するかという内容です。特に、人工知能は私が今、最も興味を持っている分野です。

28プロジェクトを推進している本校では、大学卒業と同時に薬剤士、会計士、など専門職に就く子が増えてきています。先日も、25歳で司法試験に合格したという報告がありました。

一方、未来の仕事の半分は機械に取って代わられるという話もあり、2013年から人工知能の革命的とも言われる進化で、これからの仕事は変化していきます。

これからの資格職に必要な力は専門性+テクノロジーを駆使できる力+エンパシー(人間にしかない共感力)になっていくのではないでしょうか。

 

大学出張授業の続きです。担当の竹内より報告します。

理工学(情報工学)の分野では、芝浦工業大学の福田浩章先生にお越しいただき、「情報工学入門」についてご講義頂きました。

『1945年にはパソコンは既にあって…』というお話から、現代に至るまでの情報化の変化をお話頂きました。
コンピューターとインターネット、様々な情報システムのご説明をして頂いた上で、これからは人工知能が普及していく、という話に展開していきます。

これまでは、知的な産業は人間しかできないと思っていたが、そうではない。
例えば外科医であれば、画像診断をする仕事は人工知能が行うので、不要になっていくのだと。こうして人間の仕事がどんどんなくなっていくと…。

また、実際に仕事として情報システムを実現するために必要な要素についてもお話いただきました。
ブランコの風刺絵を用いた「顧客がほんとうに必要だったもの」のお話をしていただき、顧客から営業担当者、システム開発者へ、とシステム開発を進めていくと、それぞれの理解は全く違うものになることがあり、システムを作る際の、様々な要求の理解の難しさを教えていただきました。

情報システムの歴史と将来、そして仕事観のお話もしていただき、生徒がこの分野での将来をイメージするよいきっかけをいただきました。

 

*人工知能についてプログラマーの清水亮さんとの対談を行いました。その様子がシリーズで【対談】人工知能は教育をどう変える? 2020年に向けた日本の「学び方」と漆紫穂子校長が気づいたことに掲載されます。