2016年11月17日

中3企業コラボ 大学出張授業つづき 

Filed under: 授業・学習・進学,社会 — 漆 @ 5:53 PM

 

IMG_1361 昨日の3年生企業コラボは、㈱ストライプインターナショナルさん(アース ミュージック&エコロジーもこのブランド)の最終回。制服のコートは肩パットとシルエットに不満があるということがよく分かりました。(スポンジボブにたとえていて思わず爆笑)
IMG_1364  制服のアウター提案が各クラスから出され、生徒投票の最優秀賞と、社員の皆さんが選んだ特別賞が発表されました。
IMG_1362  オリンピックのユニフォームも手がけたデザイナーの方から発表。「自分たちが着たいだけでなく、制服とは?品女らしさとは?ということまで考えられていて感動した」とおっしゃっていました。すばらしい提案でしたので、何らかの形で活かせないか考えてみたいです。

 

大学出張授業の続きです。担当の山田より報告します。

明治学院大学社会学部社会学科 岩永 真治教授の大学出張授業のご報告をさせていただきます。
テーマは「音楽とまちづくり」です。

社会学① 社会学②

アリストテレスは著書『政治学』の中で「音楽を教育に取り入れる必要があるか否か」議論しているが、これが現代にどう通じると思うか?」という問いかけから講義が始まりました。ここに書かれていることは「子どもに音楽を聞かせることはどういう意義があるか?」という現代のテーマに通じるそうです。

講義の中で時折、先生から生徒たちへいくつか問いかけがなされました。
例えば...
Q:「メロディー、音階などがどういう良い影響を与えているか?」
A:「心のゆとり」、「心を一つにすることができる」
生徒の「心のゆとり」という回答が次のお話につながりました。先生曰く、「“ゆとり”というのは「心の徳」を形成する。実は、音楽というのは、“教育としての音楽、遊戯としての音楽、高尚な楽しみとしての音楽”の3つに大きく分類される。ギリシャ古典古代の時代に市民が自由・平等を得る中で音楽の役割が注目されたが、その後の近代社会においても市民が自由・平等な社会を形成していく中で余暇が生まれ、そこから高尚な楽しみが生まれることになり、音楽はまさにその一つであった」とのことです。

また「音楽が心のゆとり(=徳)を生み、近代市民社会における自由人としての心のあり方に影響を与えた。人間とは「徳」を形成するのが大切であり、それを育むのが音楽であるのだから、その音楽を教育に取り入れるのは意義がある。」というお話で、アリストテレスに始まり現代にも通じるテーマの答えにつながりました。

~生徒の感想より~
・正直、社会学というものがどういうことを学ぶのかよく分からずに授業を受けたが、楽しかった。アリストテレスの『政治学』は少し難しいとおっしゃっていたが、『ニコマコス倫理学』も両方とも読んでみようかなと思った。

・音楽は日本では教科として取り入れられていて「教科」というイメージが強いので、アリストテレスの「高尚な楽しみ」という考え方には驚いたが、そう言われると分からなくもない気がした

・音楽は聴く、演奏するだけのものだけではないんだなと思った。

・ヨーロッパや古代ギリシャの歴史を学べたと同時に、その時代の音楽と今につながることが学べてとても興味深かった、

途中、ギリシャ語を使って説明するなど高校生にとって難解と思われるような内容もありましたが、興味を持って先生が書いたギリシャ語を全部書き写している人もいました。社会学というのは「社会における疑問について(科学的手法を使い)研究し、研究対象は自由に設定できる学問」とのことですが、生徒たちは「音楽も研究対象になる幅広い学問なのだ」と興味を引かれたようです。