⑩教科イチ押し見学会【森美術館】
今日は、本当にポカポカで春の一日です。
イチオシの続き。担当の塩崎より以下報告です。
教科イチ押し見学会で、森美術館に訪問しました。午前は4年生が芸術(美術)+国語の学習として16名参加し、午後は1 年生が芸術(美術)の学習として 12 名参加しました。森美術館のみなさまには2007年度よりお世話になっており、毎回生徒の興味を引き出すトークをしてくださって、大変感謝しております。今回は中学生と高校生、それぞれに合わせてお話しくださいました。
展覧会は「未来と芸術展」です。 まずは訪問前に、展覧会のサブタイトルとなっている「AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」という問いから想像したことを書いていただきました。
◆事前ワークシートより
【4年生】
・AIは今後人間の仕事などをうばっていく
・車のタイヤがなくなる
・自然を守るロボ
・ロボットによる都市システム
【1年生】
・医療技術の発達
・木がたくさんある
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◆当日
事前ワークシートをスタッフの方にお送りしたところ、当日のトークに活かしてくださいました。まず入口で、「みなさんが想像してくださったことが、この展覧会にもあります」と、事前ワークシートの内容をいくつか取り上げながらお話しくださり、それから会場へ進んでいきました。
この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスの下で許諾されています。
ミドリムシを活用した建築物のプロトタイプの臭いをかぐ4年生。 作家名/作品名:エコ・ロジック・スタジオ《H.O.R.T.U.S. XL アスタキサンチン g》2019年 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスの下で許諾されています。
とうもろこしでできた建築素材の臭いをかぐ1年生。
作家名/作品名:ザ・リビング/デイビッド・ベンジャミン《ハイファイ 模型》2014年 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスの下で許諾されています。
作家名/作品名:《LOVOT(らぼっと)》2018年 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスの下で許諾されています。
集合写真4年生 集合写真1年生 ◆見学後に書いたワークシートより
Q 印象に残った作家名・作品名と、それらについて考えたこと
・(《ハイ・ファイ》に対して)匂いは独特だったが、軽量で、製造コストも安く、土に還るというとても環境にやさしい建築素材が作れるなんてびっくりした。このように、作ったときのことだけでなく、廃棄したときのことも考え作ることが重要なんだなと思った。(4年生)
・(ウィメンズ・テクノロジー協会《交通整理ロボット》に対して)ロボットを用いて交通整理を行うことで、賄賂の問題も解決することから、他の国にも広まってほしいと思いました。
・(やくしまるえつこ《わたしは人類》に対して)人類が滅亡したあとに現れた知的生命体が、この曲を聞く未来を想像してわくわくした。(4年生)
・(ダン・K・チェン《末期医療ロボット》に対して)1人で死ぬのも寂しいけどロボットに慰められるのも虚しいと思った。(4年生)
・(エイミー・カール《インターナル・コレクション》に対して)世の中には人種や宗教など、色々な違いがある人がいるけれど、皆同じ人間なんだと深く感じられました。(1年生)
・(ディムート・シュトレーベ《シュガーベイブ》に対して)話しかけると再現したゴッホの耳の細胞が活発に動いて、現代の死んだものを復活させようとする技術ってすごいんだなと思いました。これからは死んでしまった人に近いものを作り出せるのかなと思いました。(1年生)
Q 各作品や展覧会全体に関する他の生徒の発言で印象に残ったことと、その理由
・(スタッフの方が、未来は良くなっているか、悪くなっているか、どっちだと思うか、とおっしゃったことに対して)「悪くなっている」→技術が発展するのだから良くなるだろうと思ったが、 自然環境が悪化するという発言で確かに、と思ったから。(1年生)
Q 展覧会全体をとおして、「AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」について考えたこと
・もし一緒に仕事をすることになったら、ロボットの思考と人の思考がぶつかることがあるのかなど、気になることがたくさんありました。(1年生)
・海上都市は実際にニューヨークで実験されていると聞きましたが、高い波がきたらどうするのか、農作や畜産はどうするのか、気になりました。(4年生)
Q 美術館という場所について、今回の見学会で得た印象
・今までは有名な人や昔の人の絵を鑑賞する場所だと思っていましたが、今回はその印象を良い意味で覆されました。まず、題名から「人は明日どう生きるのか」と、未来のことについても展示されていることにおどろきました。そして、私達に一番近い問題についてユニークな発想がつまっていてとても深く考えさせられました。(1年生)
Q 作品を見て、言葉で表現するということについて
・おもしろかったです。なぜなら、言葉で表現しようとすると、もっと深く作品に入りこんで様々な視点から作品を見るようになったからです。(1年生)
・語彙力の乏しさも原因だが、言葉にしたらもったいない作品ばかりだった。(4年生)
Q 今回の展覧会「未来と芸術展」の感想
・将来、AIで代わりがきくような存在ではなく、自分で何をしたいのか理解し、そのためにどのようなことをすればよいか考えられる存在になりたいと思った。(4年生)
**過去9回の様子**
2007年度 教科イチオシ見学会①森美術館
2008年度 今日のお客様&教科イチ押し 22 森美術館
2009年度 春期講習・教科イチ押し森美術館
2010年度 気になる声シリーズ⑥教科イチオシ見学会【森美術館】
2011年度 17 教科イチ押し見学会(森美術館)
2012年度 本を出版しました。15 教科イチ押し見学会(森美術館)
2014 年度 中 1 国語科特別講座・森美術館
2014 年度 教科イチ押し見学会(森美術館)
2018年度 ⑭教科イチ押し【森美術館】