⑤教科イチ押し見学会(江戸東京博物館)
ウイルスの件で、刻一刻と状況が変わるので、様々な行事について毎日のように会議をして方針を考えています。生徒の安全と若い人が動くことで免疫力の低い高齢者の方などにご迷惑をかけないことが第一、一方、生徒にとって一生に一回の行事はなんとかしてあげたいという気持ちもあり、なやましいです。
さて、せめて、ブログで過去の楽しいご報告をしていければと。イチオシの報告続き、引率の住谷からです。
1年生11名と両国にある江戸東京博物館に行ってきました。今回は2グループに分かれ、それぞれボランティアガイドさんの解説をいただきながら回ることに。集合場所に行くと、ガイドさんお二方とも和装で出迎えて下さり、早くも江戸へタイムスリップ。
実際の1/2の長さで作られている日本橋を渡りながら、まずは江戸ゾーンへ。日本橋から見える中村座の歌舞伎小屋を見ながら、まずは江戸文化の粋なところ、そして現在とのつながり、看板のデザインなどのお話があり、まさに今、外国から注目されている「Cool Japan」の原点であると聞いてちょっと心が躍りました。
人口100人を越える大都市だった江戸では、人口比は武士と町人半々でしたが、土地の利用比率は武士が7割、町人が3割しかなく、それで狭い独特の長屋ができたとのこと。デジタルパネルを見ながら、江戸のどういった部分に武士と町人が棲み分けられていたか、そして寺社はどのようなところに立てられていたか、その分布も見ました。本校のあるあたりは1学期にも社会で学習したように、やはり寺社が多かったのが改めて理解できました。当時は海が非常に近いところにあった江戸の町、日本橋も元々河岸であり、船で運ばれた商品が多く集まるところから江戸の経済の中心となったとのこと。
浮世絵のコーナーでは、版を刷る過程を表した展示を前に、当時浮世絵で描かれたのは人気の歌舞伎俳優や力士など、その時その時の話題の人々であったこと、1枚の価格は16文でお蕎麦1杯分であったこと、伊万里焼などの陶磁器をいらなくなった浮世絵の紙で包んでヨーロッパなどへ輸出していたことから浮世絵が注目され、ゴッホやセザンヌといった有名な画家たちも関心を深めたことなど、浮世絵の魅力が存分に伝わってきました。
その後、コーナーは江戸から東京のコーナーに移り、明治の文明開花、太平洋戦争での空襲、そして東京オリンピックと進み、最後は地層に見える東京の歴史についてお話をいただきました。多くの展示物を前に熱のこもった説明をしてくださるガイドさんに、生徒たちも一生懸命メモを取り、興味深くお話を聞いていました。引率の私も夢中でメモを取り、非常に勉強になりました。
生徒たちの感想からも「小学生の時に見学したときには気づかなかったことにたくさん気付いてすごく勉強になった」「説明に引き込まれとても面白かった」など、充実した見学であったことが伺えました。解散後も暫し残って見学を続ける生徒もおり、来年の歴史学習や東京オリンピックに向けて、何かいいモチベーションになればと感じました。ガイドの皆様、博物館の関係者の皆様、ありがとうございました。