④教科イチ押し見学会(理化学研究所)
春が訪れたかなと思うと、寒い日が戻ってきて、3月ですが三寒四温という言葉を思い出す今日この頃です。今日は、天気がよく暖かですが、生徒の声がしない校舎は火が消えたようです。
さて、教科イチオシの続き。引率の濱谷からの報告です。
4年生 理化学研究所
理化学研究所(英語名:RIKEN)は、日本で唯一の自然科学の総合研究所とし、物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めています。
理化学研究所は、1917年(大正6年)に財団法人として創設されました。戦後、株式会社科学研究所、特殊法人時代を経て、2003年(平成15年)10月に文部科学省所轄の独立行政法人理化学研究所として再発足し、2015年(平成27年)4月には国立研究開発法人理化学研究所になりました。研究成果を社会に普及させるため、大学や企業との連携による共同研究、受託研究等を実施しているほか、知的財産等の産業界への技術移転を積極的に進めています。このような理研・横浜研究所を見学し、さらに見学後は女性研究員の方との座談会も行っていただきました。
最初に理研・横浜キャンパスについての紹介がありました。なんと東京ドームより広い敷地があり、日本一長い廊下で施設をつなげているそうです。また、職員は女性の方が多いことを知り、理系進学志望の生徒達にとって自信になったようです。生徒達は、「設立何年か?」「理研横浜キャンパスではどのような研究が行われているか?」などの質問に興味深そうに答えていました。
次に、研究室見学。生命医科学研究センターと放射光科学研究センターに分かれて見学しました。生命医科学研究センターでは、体に付着した物質を持ち込まないように白衣を着て見学し、退室時は物質を持ち出さないように手洗いを徹底していました。教科書や画像でしか見たことがないDNAとRNAの実物を見た生徒達の目は輝いていました。また、研究者の半分が実験をせず、データ分析を専門で行っていることを知り、新鮮だったようです。コピー機のようにも見える研究所の遺伝子解析などの機械は8000万円~4億円するという話には衝撃を受けていました。生徒からは「高額な機械の資金源は?」「機械は誰が作るのか?」「そもそも、なぜゲノムを調べるのか?」など、見学中も活発に質問が飛び交いました。研究の一例として、110歳以上の人のゲノムを調べると特徴があることが分かっていて、年をとることで増えるのか、もともと持っていたのかを調べているとのこと。長寿の日本だからできる研究だとのお話に生徒達は釘付けでした。また、生徒も研究意欲がわいてきたようで、「名字ごとにどのくらいゲノムが共通しているのか調べてみたい」などと、興味の幅が広がったようです。
最後は、女性研究員との座談会でした。環境資源科学研究センター、生命医科学研究センター、放射光科学研究センター、生命機能科学研究センターから計5名の研究者の方が参加してくださいました。生徒からは次のような質問が投げかけられ、研究者の皆さんも熱心に答えてくださいました。「休日も研究のことを考えているか?」「なぜ理系を選んだか?明確な目標はあったか?」「受験勉強のスイッチが入ったのはいつ?」「仕事していて楽しいことは何か?」「英語は絶対必要か?」「研究者は忙しいか?育児との両立は大変か?」。
文理選択と科目選択が迫っている4年生ならではの質問も多く見られ、進路相談にも乗っていただく様子もありました。研究者の方々は、元医師や企業の研究所から転職された方もいて、迷いながら今の仕事を選んだというお話に生徒達も共感しているようでした。座談会があと1〜2分で終わりだと告げられると、とても残念そうだった生徒達。最後のアンケート記入の時間も、研究者の方への質問が止まらない様子でした。最先端の研究をしている方との座談会に大きな刺激を受け、目を輝かせている生徒達でした。
*