2019年4月17日

ユニバーサルマナー講座

Filed under: 社会 — 漆 @ 5:14 PM

東京オリンピック・パラリンピックが近づいてきました。駅で乗り換えの時、表示にしたがって歩いてきたはずが、途中で表示が途切れるところがあって、日本語表示でさえ迷うことがあります。また、自分が身体を故障しているとき、ここに手すりがあったらなぁと思うような場所もあります。環境整備の問題だけでなく、加齢による衰えから社会課題を実感しやすくもなってきました。乱視が進んで路線図が見えにくく、近くの人に「これ、なんて書いてあります?」などと聞くことが増えたり、難聴や声が出ない経験もし、普段当たり前に使っている電話が使えない不便さも味わいました。そうした視点から見ると、再来年までに、海外から多様なお客様を受け入れる準備は間に合うのかなと心配になることがあります。

本校では、毎年、一学年で「ユニバーサルマナー」の講座を解説しています。ミライロの垣内さんとのご縁で始めたもので、身体の不自由な方や高齢の方にどう接して、お手伝いが出来るかを学んでいます。

生徒にアンケートを採ると、手伝いたいと考える子が多くても、実際にどうしていいか分からず、遠慮して一歩が出ないことが分かります。そんなとき、「何かお手伝いできることはありますか?」と相手に選択をゆだねる形で聞けばお互いに気持ちよく、コミュニケーションができます。

そんな一つ一つのマナーについて学んでいます。2020年までに全校生徒が講座を受けることを目標に積み重ねてきました。昨年度の1年生の講座の様子を学年主任からご紹介します。「環境は変えられなくても私たちの心持ちを変えることは出来る」という生徒の声が印象的でした。

中1総合学習

学年主任の小野瀬からの報告です。

総合学習日の後半は、毎年恒例のユニバーサルマナー講座です。
司会の生徒の「ユニバーサルマナーとは何か、調べてきましたか?」との問いかけから始まりました。
説明がなされた後、今回の講演者である薄葉幸恵様をご紹介し講座がスタートしました。

 

スライドでわかりやすく説明された後は実践。人との違いを周囲の人と話し合いたくさんあげてみたり、声を出さずに身振り手振りで伝えて、その難しさを知ることができたり、実践することで更に寄り添うことの大切さを感じたようです。
最後に「お手伝いできることはありますか。」の手話を教えてもらい、全員でやってみました。とても印象に残る講座となりました。

感想の一部
・今日の午後からお手伝い出来ることを探していきたいです。
・今まで勇気がなかったけれど積極的に話しかけよう。
・サポートを必要としている人は身近にたくさんいることに気づいた。
・今回の講座で少し心持ちが変わりました。
・「迷わず、素直に、すぐ行動」を思い出して声を掛けたいと思う。
・環境は変えられなくても私たちの心持ちを変えることは出来ると思った。
・日本はハード先進国ということに驚いた。もっとユニバーサルマナーが広がっていけばいいなと思った。
・小さな事からでも手伝いたいなと思いました。100点満点を採るのではなく、向き合う姿勢が大事だと学びました。

他にもあたたかい感想がたくさん並んでいました。

« 前ページへ次ページへ »