2018年3月29日

⑱教科イチ押し見学会(東京都美術館)

Filed under: 社会 — 漆 @ 5:09 PM

教科イチオシ見学会のつづきです。引率の中村から報告です。

教科イチオシ見学会の社会科イチオシ施設として、東京都美術館に訪問し、「ゴッホ展巡りゆく日本の夢」を鑑賞しました。
浮世絵や日本の文献など日本に高い関心を寄せていたフィンセント・ファン・ゴッホと、ゴッホに強く憧れた日本人との相互関係を探り、その魅力にせまります。
中等部1年生13名が参加し、4グループに分かれて活動しました。“対話を通して新しい価値観を発見する”という目的で、グループごとに「アート・コミュニケーター」=とびラー(愛称)さんが入り、生徒たちのサポートをしてくださいました。
とびラーさんは会社員や教員、学生、専業主婦や退職後の方など多様なバックグラウンドを持つ人たちで構成され、東京都美術館と東京藝術大学が連携して行っているアートを介してコミュニティを育む事業「とびらプロジェクト」で活躍されています。

まずは美術館内のアートスタディルームにて、グループで自己紹介です。呼んでほしい名前と共に、事前学習で行った「ゴッホ展展示作品(一部)の中から気になる絵を見つける」活動で選択した作品について、その選んだ理由を紹介します。
作品を通してお互いの感性にふれ、和気藹々と話していました。
次に学芸員の稲庭さんから鑑賞前の説明を受け、いよいよ鑑賞の時間です。はじめはグループ鑑賞です。ゴッホ作品とゴッホが影響を受けた浮世絵作品との比較をします。説明で伺った鑑賞のポイントをもとに、気がついたことや感じたことは吹き出し型の付箋に記録をします。
次の個別鑑賞では、まずは事前学習で選択した「気になる絵」の実物を鑑賞し、その後それぞれ自由に展示をまわりました。
鑑賞後はアートスタディルームに戻り、「冒険ノート」に鑑賞の記録を自由にまとめます。真剣に取り組む生徒たち。一人一人が鑑賞の時間を振り返り、こだわりをもってノートを作成します。
夢中になる生徒たちをみて予定していた時間を延長・・・。完成した生徒たちの個性あふれる冒険ノートがこちらです。
最後にグループを越え、全員で冒険ノートの鑑賞会です。


普段は素通りしていたかもしれない作品を「記録を書く」ことでじっくり詳しくみることができました。また、「記録を誰かに見せる・伝える」ことで学ぶ意欲や知的好奇心を育み、自分の学びがみんなの学びになることを楽しんで体験できました。

自分の価値を社会に広める、社会の文化をつくることにつながる、その第一歩になったのではないでしょうか。本物の作品と出会い対話し記録する鑑賞を通し、記憶に残るミュージアム体験ができました。