SWATCHの開発者、エルマー・モックさんの講演
4,5年生では文化祭に向け、起業体験プログラムの準備が始まっています。
キックオフの講演会では、SWATCHの開発者、エルマー・モック氏にお話をいただきました。まさに、イノベーションをおこした起業家、私にとっても興味深いお話でした。
メモをシェアします。
・これからは、鳥が泳ぎ、魚が飛ぶように世の中が大きく変化する時代になる。
・26歳の時、SWATCHを開発した。「良くて安くて早いものを」というコンセプトだったが、それまでのスイスの伝統的な考え方とは全く違っていた。
・コンセプトを実現するには技術が必要になる。技術と理想、その二つの間を行ったり来たりして開発を進めていった。そして、価格を抑えるため「修理のできない時計」というコンセプトを考えた。高い時計を修理して長く使い続けるスイスにはない概念だった。
・部品を半分にして、値段を四分の一、5ドルで買える時計にしたが、しかし、安いだけではだめだと知った。そこで、時計をファッションアイテムとする企画を進めた。
・壁に当たったら、コンセプトに戻る。問題をチームで考えていく。誰も未来はわからない。
・アイディアは社会における「真珠」のようなもの。幸せな貝は真珠を作らない。問題のある貝が真珠を作る。まずは何が問題かを特定することが必要。そして、困ったことを解決しようとするところにイノベーションが生まれる。
・コンセプトから考え、最終的にビジネスとして成り立つようにしていく。コンセプトができたら、デザインも外に任せないですべて自分たちのチームでやっていった。
・「掃除機の吸い込みが悪い」という問題の答えがダイソンになった。「いつも同じ濃さのエスプレッソができない」という問題の答えがネスプレッソになった。
・伝統を破る。場面を変える。そして、楽しむ。(ここで切って折ると面が3次元になって変わる名刺を披露して、常に、場面を変えるということを意識するようにと)
講演です。英語ですが、生徒たち、聞き入っています。 | |
質問タイム。最初に質問するのは勇気がいるものです。 | |
失敗は怖くないか?「失敗は失敗とは呼ばない。それはチャンスととらえる。もし、二度同じことをしたらそれを失敗と呼ぶ」 | |
起業家になるには?「起業家になろうとしてはいけない。社会に贈り物をしようと思った結果、起業家と呼ばれるもの」 | |
ワークショップです。自分の身近な問題をあげてグループで共有。最もみんなが共感したものに絞ります。3年生から学んでいるデザイン思考が活きています。 | |
グループワークの間も、生徒とコミュニケーション。「一般論は言えても、自分の問題を確定するのは難しいんだよ」 |
各グループから代表的な質問を持って集まり、そこからまた代表的な質問を絞ります。 | |
さらに絞った質問を壇上でプレゼンし、全員が挙手をして最も共感する問題を決めます。400人の問題意識が一瞬に一つに。みんなの頭脳を集める体験をしてほしかったそうです。最後に残ったグループにはスイスの贈り物(チョコ)が! |
エルマーさんの著書。サイン入りでいただきました。図書室においておきます。表紙は魚が飛び、鳥が泳ぐイノベーションの世界をイメージしているそうです。 |
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