2016年5月27日

好きなことを大切に、できることを磨く②

Filed under: 28プロジェクト,その他,オススメ — 漆 @ 5:27 PM

昨日は、自宅学習日。私はコラボ先や今年もMBA留学生との交流をお願いしている大学院などを訪問していました。朝イチのアポで駅に行ったら電車が遅れています。車内はすごい混雑で銀座線で赤坂見附に通っていた高校時代を思い出しました。身体の小さい一年生がこのラッシュで登校するのはそれだけでも大変です。テストが終わったら楽しいことが続くからもう一息ね。

さて、今日から中間テストです。必死で机に向かう生徒を見ていると、こうして目の前の勉強に取り組む時間が、未来につながっているんだなとあらためて感じます。

月曜に、特別講座や一押し見学会、起業体験でお世話になっている監査法人の皆さんが今年のプログラムの打ち合わせにいらっしゃいました。

お話ししているうちに、「最近は会計士になりたいと思う人が少なくなっている傾向があって」とおっしゃるので、「技術革新で機械にできることが増えているからですか?」と伺うと、「それもあります。未来になくなる仕事にランキングされたりしていますから」とのことでした。

私にとっては意外でした。28プロジェクトで将来の事を考える機会の多い本校では、「大学受験でより偏差値の高い経済系の学部に受かったけれど、将来を考えて会計士資格を取りたいので商学部に決めました」「大学卒業と同時に会計士資格を取り、資格に助けられて両立がしやすく、すぐに結婚出産もしました」というような話をしばしば耳にするようになってきたからです。

起業体験や特別講座のおかげで、「会計士の仕事は数字をまとめるだけだと思われがちだけれど、数字から企業の内部を読み取り、コンサルティングをするような仕事でもあるんですね」という在校生もいます。

私の知人に、青山朝子さんという方がいます。会計士資格を持ち、海外でも勉強し、子育てと両立して若くして上場企業の役員をやっている方です。何より明るく前向きなお人柄に魅力を感じる方ですが、この方の経歴を見ると、まさに、以下で述べる資格と海外経験が仕事に生きるロールモデルと感じます。

そこで、昨日の続きです。著書の文章に少し書き足しました。

次に、できることを増やしていくこと。スキルをつけたり資格を取ったり知識を増やしたり。面倒で手間のかかることだとしても、それが自分の成長につながると思ってやっていれば、いつか道は開けていきます。

以前参加したある女性国際会議でのこと。私は、生徒の将来を考え、「どういう人が社会で活躍しているのか」ということを常に観察しているのですが、参加者のうち、弁護士や公認会計士、研究者など、資格や専門分野を持っている人が3割ほど、留学など海外在住経験があり、語学に堪能な人が7割くらいいました。

ある20代の女性の会計士は、 「私は旧財閥系の男性中心の企業にいて、ベテランの男性社員が、若い女性社員に相談するのは雰囲気的にはばかられるのだけれど、資格があるので、専門分野にからめて気軽に意見を聞いてもらえる」 と話していました。 「資格があるので、いざとなったら組織を離れてもやっていけると思うと、思い切った意見も言いやすい」とも。それが、仕事に対する自信や気持ちの余裕にもつながっているそうです。

「好きなこと」と「できること」今、その交点に何も見いだせなくても、将来、何と何が結びついてどんな仕事が生まれているか、誰にも分かりません。ニューヨーク市立大学の研究者キャシー・デビットソンによれば、2011年度にアメリカの小学校に入学した子供の65パーセントは、大学卒業時に、現時点では存在しない職業に就くそうです。 技術革新によって、新しい仕事がどんどん増えていく時代。今、役に立たないと思える好きなことが、将来役に立つことも考えられるのです。