11:大学出張授業(津田塾大学学芸学部国際関係学科)
京都商工会議所のセミナーには500人を越えるみなさまがお越しくだいました。特に教育関係者の方々が、近隣の県からも参加くださり、私にとっても勉強になりました。そして、驚いたのは、名刺交換にいらした方に「娘がお世話になっています」と言われたこと。ツールド東北でも在校生のお父様が一緒に走ってくださいましたが、ここでも品川ファミリーに応援していただき、本当にうれしかったです。
明日、明後日は東京の全私学小・中・高が集まる東京都私立学校展進学相談会が有楽町の国際フォーラムで催されます。6年通う学校は言うまでもなくお子さんに「合う」「合わない」が一番大切です。一度に様々な学校の情報を得るチャンスですので是非、お出かけください。
大学出張授業、「津田塾大学学芸学部国際関係学科」を担当の宮本からご報告します。
大学出張授業で津田塾大学大島美穂教授より、国際関係学についての授業をして頂きました。今回の授業ではこれから大学選びをし始める4,5年生の高校生向けに、「国際関係学で学べること」、「進路先について」、「大学を選ぶ際のアドバイス」等を中心にお話して頂きました。
1.国際関係学
国際関係学は、国際社会や、国家間における問題を政治や歴史、文化等の様々な観点から考える学問です。国際というその名の通り、領域は広範囲にわたり、幅広い地域や分野(政治学、社会学、経済学等々)を学ぶことができます。国際的な問題を考え、理解することで、問題解決の方策を生み出すことにつながり、最終的に国際問題の解決の先の和平を模索していく学問であるということです。では、実際に国際関係学で身につく力とは?
これは大島先生が実際によく聞かれるという質問で、こうお答えになりました。国際関係学を学ぶと、「現在」と「過去」をつないで、現代の事象について考える力が身につく。
それはいわば「現在と過去との相互対話」である。また、複雑な現代社会の問題を読み解く視点が養われる。つまり表面的な問題だけでなく、その裏にある歴史や文化背景を読み解き、現代社会の問題の核心に迫り、社会の変革の可能性を導き出していくということです。
まさに、時代が求めている、グローバルな思考で社会に貢献することのできる力を要する人材を育成する学部なのだと思いました。2.国際関係学部の卒業生の進路状況
国際関係学部で学んだことを生かし、真の国際人として国内外で国際業務に従事している。
現代のようなグローバル社会では、国際的で、客観的な視点で国家間の事象を考え、行動する人材が求められているからこそ、国際関係の学部の学生の就職状況は良好なのは、納得でした。
津田塾大学の卒業生では、国際機関や、NGO、国家公務員、商社、メーカー、マスコミ等様々な業界で活躍されている方が多いそうです。
国際関係学部の卒業後のイメージでは、「外交官」や国際機関で働くことなど国外で国際業務に携わることが印象として強いですが、先生が強調されていたのは、国内のどんなドメスティックな事業でも今はグローバルが求められているので、どこでも国際業務に関係するチャンスはあるのだということでした。
むしろそういう環境で、グローバルな人材が重宝され重要な国際業務を任されることも多いという現状があるそうです。3.外国語学部の違い
外国語学部との違いは、語学を目的として学ぶのか、それともそれをツールとして使うのかという違いでした。
国際関係学では、資料等を読み解いたり、それをまとめて伝える際にツールとして英語を使用するので、おのずと英語力が身につく。
その上英語で様々な地域や歴史、政治等について考えるので見識や思考力が高まるというメリットがあり、逆に外国語学部では、より専門的に語学を学び習得していくので前者よりは語学力は圧倒的に身につくが、学べる地域や分野は限定的になりがちに。4.国際関係学をどの大学で学ぶかという選択
国際関係学を選ぶと、そこには幅広い研究対象があるので、できるだけ今の段階で自分が何を学びたいかを絞ることが必要になるそうです。自分の興味や研究対象を絞り、大学を選択します。
その際、その大学で何の研究をしている先生がいるのか、学生や先生方がどのような論文を書いているのかなどをみて、判断するのがポイントだそうです。最後に、生徒は大学の授業を体験して、アカデミックな雰囲気に触れることで、更に夢が膨らみ、新しい世界を知ることができたと思います。SGH等の取り組み等で学校でも「グローバル」が重要視されている中、今回の授業を通してさらにその重要性を理解できたのではないでしょうか。
また、実際に大学で教鞭をとり、研究をなさっている先生の視点から、逆算的に高校生の時の進路選択の方法や国際関係学という学問を選ぶ際のアドバイスなどを伺えたのは、とても説得力があり、自分の将来像を想像しやすく、とても大きな収穫でした。授業を通して、将来を見据えた大学選び、受験へのモチベーションを高めて、自分の将来を切り開くために自ら考え、行動していってもらいたいと思います。