15:大学出張授業(明治学院大学社会学部)
大学出張授業、「明治学院大学社会学部」を担当の伊藤からご報告します。
社会学分野では、明治学院大学より元森絵里子教授よりご講義いただきました。スタート前に元森教授が確認なさったところ、事前に「社会学」という学問を把握している生徒は僅かでした。そこでまずは、社会学についての話。社会学は、自分の興味があるもの(宗教、グローバリゼーション、都市、ジェンダー、家族、倫理、医療など、さまざま)がテーマになりえます。
つまり、気になる疑問や興味を、社会との結びつきという観点から分析し、考える学問です。今回は「学問選択の男女差について歴史的視点から読み解く」という講義でした。
大学に進学するにあたって選択する学問に、男女で差が見られうそうです。家政系の大学に進む人はほとんどが女性。他の学問でも、教育や薬学、文学、知識教養分野選択者は女性が多数です。一方、法学や理工など、職業に結びつきの強い専門分野は男性が多いです。
明治学院大学のパンフレットにも記載されている在籍男女比も参考にしつつ、データを確認しました。「その差はどこから?」を読み解く材料が、今回は歴史的背景でした。
お話しいただいたさまざまな要因の一例を紹介します。女性が教育を受けられるようになったそのとき、女性が目指すべきは良妻賢母でした。
しっかりとした社会で活躍する男性を育てるための、「すばらしい母」になるための教育制度です。そのため、知識教養とともに裁縫や料理の技術を獲得することが大事でした。よって「高等女学校」という、女性が進む学校は、大学進学を想定していないものでした。出発点がここにあるだけに、女性が選ぶ学問のイメージとして、まだ家政・知識教養分野が強い部分があると考えられているそうです。他にもいくつか、男女差の要因と考えられる歴史的事象を、詳しい条令や用語の説明も含め、お話しいただきました。
「大学の講義」を経験できた生徒たちにとっては有意義な時間でした。
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