⑤教科イチ押し見学会(神奈川近代文学館)
今日は合唱祭です。午前中、各クラスで練習した生徒達は、今ちょうど学校を出て会場へ向かっているところです。
さっき講堂へ行ったら、何か作業をしている子がいます。カード?アルバム?
合唱のリーダーや指揮者、伴奏者へのサプライズプレゼントでした。今日の合唱が終わった後に渡すんですね。
インフルエンザが流行る中、クラスで協力して賞を目指して練習し、今日の日を迎えました。結果はともあれ、頑張ったその過程は一生の宝です。
私もそろそろ出なくては。今日の様子は後日ご紹介しますね。
さて、イチ押しの続き。引率の工藤からの報告です。
神奈川近代文学館は港の見える丘公園の中にあり、洋館が建ち並ぶ街並やバラ園を通り抜けると、かわいらしい円形の展示室が見えてきます。この文学館は、ジブリ映画「コクリコ坂から」で、ヒロイン「海」の家のモデルになったそうです。
さて、館内に入ると、まず館内を案内するビデオを観て、担当の方から30分ほどお話を伺いました。夏目漱石や、芥川龍之介、中島敦など、生徒たちも既習の文学者について、一般的な資料には載っていない専門的なお話をして頂きました。生徒たちも事前に考えてきた質問をし、学芸員が狭き門であること(この文学館の採用はここ13年ほどないとのこと)に驚きの声を漏らしたり、中島敦が教員時代に女子高生と喫茶店でお茶をしていたというエピソードを聞き、顔写真からの硬いイメージとのギャップに驚いたり、興味深く聞いていました。
その後、館内にある展示を各自自由に観て回りました。本校校歌の作詞を手がけた与謝野晶子のコーナーでは、晶子に11人も子供がいたことに驚く生徒がいれば、「死産してしまった子も合わせると13,4人ほどいたはずだ」と学芸員の方に確かめに行く生徒もいました。その生徒は「作品より作家の人生に興味があるので、大学は文学科ではなく哲学科に進みたい」と言いながら、興味深く見学していました。
展示物に関するクイズ形式のワークシートを全て埋めて集合した生徒たちに、学芸員の方がさらなるエピソードなどを踏まえながら答え合わせをして下さいました。本当は私が答えを言う予定でしたが、生徒たちがとても盛り上がっており、学芸員の方のほうが秘話を沢山教えていただけると思い突然お願いしたにもかかわらず、全て頭の中の資料だけでその場で対応して下さり、参加者全員が脱帽しました。
その学芸員の方に生徒たちが質問をした中から、興味深いお応えを2点紹介します。
文学の魅力はなんだと思いますか?
→「自分の人生は一回しかないが、文学を味わうことによって色々な人の人生を追体験できることだと思います。」
オススメの本はなんですか?
→(かなり沈黙が続いたあとで)「夏目漱石の本『ぜんぶ』です」。
展示室内は写真撮影不可でしたので、ぜひ今回参加できなかった生徒の皆さんも自分の足で文学館を訪れてほしいと思います。