2019年12月16日

大学出張授業上智大学経済学部・柳田先生回顧録・ダンス部・利休展

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出張授業の続きです。EBPM(根拠に基づく政策立案)の必要性がどの領域でも言われていますが、ODAについても、本当にそれだけの費用をかける効果があるのか調査が可能というお話で興味深いです。私は数十年前に、ミャンマーへのODAの現場を見学したことがあるのですが、日本企業が元請けとなってバスターミナルを建設していることについて、現地では賛否両論だったことを記憶しています。今回のレポートを見て、現在は、研究の成果が政策に活かされているのだなとほっとしました。

担当の北原から報告です。

大学出張授業 【経済学】
上智大学経済学部 倉田正充先生
テーマ:「援助で貧困はなくせるか? 国際協力と評価の経済学」
倉田先生はバングラデシュで国際協力事業に参画し、JICA(国際協力機構)で事業評価を専門に担当された後、2015年から上智大学の先生になられたそうです。
倉田先生の講義では、次の「5つの疑問」に答えつつ、生徒に繰り返し質問を投げかけながら授業をして頂きました。
1.国際協力って何?/ODA(政府開発援助)って何?
2.ODAってどれくらいお金がかかってるの?
3.ODAで何が達成されたの?
4.そもそも「何が達成されたか」を、どうやって評価すべき?
5.これから目指すべき国際協力・ODAとは?
「国際協力は本当に世界の貧困削減に貢献しているのか?」という根本的な疑問と、それをとり
まく3つの立場「貢献している」(肯定派)・「貢献していない」(否定派)・「どちらともいえ
ない」(中間派)について教えて頂きました。
続いて、疑問4の「どうやって評価すべき?」について、従来の評価方法では十分ではなく、医
療分野で用いられていた分析方法「ランダム化比較試験」を経済学の分野でも採用していることを
教えて頂きました。
従来の経済学は「実験できない」という問題を抱えていましたが、「ランダム化比較試験」を用いることで、経済学分野で実験ができるようになったことが革命的だというお話でした。客観的な科学的根拠(エビデンス)に基づいて国際協力が行われるべきだというお話は、「援助=いいもの」という先入観のあった生徒にとっては新鮮なお話だったと思います。
最後の質疑応答では、生徒から「経済学のゴールは何ですか?」
「カンボジアに学校をもう1校建てるのと、既にある学校の施設を拡大するのでは、どちらがよい
のでしょうか?」といういい質問が続き、倉田先生も感激されて、アドバイスを含めてお話頂きま
した。
「数学が大事」というアドバイスもあり、日頃、理事長先生のお話される「数字に強い文系」が
求められていることを生徒たちも実感したのではないかと思います。

*本校の家庭科で非常勤講師をされていらっしゃった柳田桂子先生の回顧録です。柳田先生からは、戸田奈津子さんや当時NHKのおはよう日本のキャスターをなさっていた方、美術館のキューレターの方など、生徒に講演をしてくださる方をご紹介いただいたり、スペシャルオリンピックスの活動に生徒をお誘いいただいたりと、多くの貢献をしていただきました。本校の留学制度を作るときも、ハーバードで教鞭を執られていた国際弁護士のご主人に、ご相談をさせていただきました。仕事と家庭とボランティア活動の三つのまさにマルチタスクを優雅に回す、ロールモデルのような素敵な方でした。
図書へ入れましたので是非読んでみて下さい。本校のことも触れていただいています。

*ダンス部の5年生がラジオ番組に出演しました。
以下、リンク先で数日間聞けるようです。
61分頃からのパートで、69分頃~77分頃までです。
リンク http://radiko.jp/#!/ts/INT/20191214120000

*利休展のご案内と、招待券をいただきました。(銀座松屋)事務所の窓口においてあります。保護者の方も是非。