⑤教科イチ押し見学会(早稲田大学文学部)
昨日は合唱祭でした。これは、審査の合間の教員合唱。リラックスした雰囲気の本校ではめずらしく、張り詰めた雰囲気で行われる合唱祭ですが、このときばかりは、応援グッズも取り出して、大盛り上がりです。あとは、カメラマンさんから写真をもらって後日、報告しますね。
さて、見学会の続き。引率の大久保からの報告です。
早稲田大学文学部に、中等部1年生20名、高等部1年生3名と行ってきました。
お話をして下さったのは、早稲田大学文学部名誉教授の中島国彦先生です。
漱石を中心に、近代文学の研究をされている先生で、中等部で使用する副教材『現代文学名作選』の監修もされています。まずは60分の講義から。
本を読むことの面白さや、何かを「勉強する」ときに大切になることについて、漱石を題材にお話し下さいました。
文豪ブームから見る「好奇心のはたらき」「情報の見分け方」、
『怖い絵』の著者、中野京子さんのインタビューから「分野が違うから気づいた新しい着眼点」、
阿部公彦著『名作をいじる』を例にした「本を読むときに考えている“何か”に目を向ける大切さ」
そして『坊っちゃん』冒頭文の読点からわかる「文章のスピード感」などなど……。
身近な話題を例に取り、中高生の目線からお話しくださいました。
国語科の教員としても、とても興味深い内容で、あっという間の60分間でした。その後は、中島先生のご案内で、新宿区立漱石山房記念館に行きました。
こちらは、中島先生も開館準備に携われた記念館で、今年の9月にオープンしたばかりです。
実際に漱石が晩年暮らしていた土地に建てられています。漱石の書斎の再現や、直筆の原稿などを、先生の解説のもと見学しました。
実際に専門の教授の解説を聞きながら、実物の資料を見られる機会は滅多にないので、
生徒にとっては初めての、意義深い時間となりました。講義だけでなく、記念館で実物に触れたことで、文学の世界をより身近に感じられたようです。「国語」を乗り越えて、さらに将来につながるような学びが得られる貴重な機会になりました。
この経験を、今後の思考の指針にしてもらえたらいいなと思います。
*現代ビジネスの記事の第二回ですが、サイト2位と今回も多くの方に読んでいただいています。新刊に関連した内容です。卒業生へ次を託すメッセージとして書いた本です。来週、最終回がアップされる予定です。これは、女子教育について語っています。