未来に起きる変化を見つめて・⑥教科イチ押し見学会(東京証券取引所)
週末は百ます計算提唱者の陰山英男先生と、脳科学者の茂木健一郎さんと三人でパネルディスカッションをしていました。教育と脳科学の関連について様々な知見を得ることができました。例えば、陰山先生が、「百ます計算」をすると運動能力もあがるとおっしゃるので、茂木さんに理由を伺うと、「前頭葉の集中力を司る部分が鍛えられる事によって、それがスポーツにも転換するのでは」というような。
そして、ここでも「非認知能力」(IQや偏差値など数字で認知される能力以外の力)を育てることが世界の教育の主流になっているという話が出ました。
本校の大切にしてきた部活や行事がどんな非認知能力を育てることにつながっているのか、根拠を持って示せるように、今年は私も勉強していきたいと思っています。
別のパネルでは、茂木さんと東大の松尾豊さん(AIの第一人者)がディスカッションしていました。機械に取って代わられない力、それが何かを見つめて、中高時代に身につけていくことが未来につながる時代です。
今日は、5年生の家庭科の授業にゲスト講師をお招きし、「価値と価格」についてワークショップをしました。金融経済教育も、これから自立した人生を送るため必要なものです。
自分の力で稼ぎ、無駄を省き、投資をする。そうして貯蓄した資金を夢を叶える資源にする。
私自身はそんなことを学校時代に誰にも教えてもらったことがなく、今も経済は苦手分野ですが、人口減少社会に生きる生徒達世代は、自分が働くだけでなく、自分のお金を働かせる(投資)の知識も不可欠になってくるでしょう。
生徒の未来を拓くため、近い将来社会に起こる様々な変化にアンテナを立て、いいと思ったらすぐやる精神で、チャレンジしていきたいです。
さて、教科イチ押し見学会のつづき。引率の有田より報告です。
教科イチ押し見学会で4年生24名は東京証券取引所に行ってきました。まず初めに「株価から見る経済・社会の動き」についての講義を受けました。株式売買の流れや、株価に影響を与える要因、会社の業績と株価の関係等を分かりやすく説明していただきました。生徒たちも知っている企業名を挙げながらの説明で、大変興味深かったです。また、セブン&アイグループの営業収益表を見て、どの分野で多くの収益を出しているか、どの分野に課題を抱えているかを考えるグループワークは盛り上がりました。コンビニで収益を出していることは予想していたようですが、金融関連も強いことを知り驚いていました。講義を通して、会社は単独では活動できないので「協働」することが大切ということ学びました。
講義が終わると、いよいよ東証アローズ見学です。テレビでよく観るあれが見れるんだ!と期待に胸を膨らませていました。企業名と株価が書かれた電光掲示板がものすごいスピードで回っている様子や、社員の方々がガラス張りのマーケット・センターの中で働いている様子に見入っていました。
見学会の最後に株式投資体験をさせていただきました。生徒1人ひとりが実際に株の売買を体験するゲームです。投資する会社は3社、それぞれの会社が何をしていてどのようなことがその会社に影響を与えるのかを考えることが大切です。時折流れるニュースを確認し、今どの会社の株を買うべきか、または売るべきかを判断することが求められました。生徒たちは画面を食い入るように見ながら真剣に投資体験をしていました。30分のゲーム時間が終了すると疲れた様子でしたが、順位が発表されると喜んでいました。良い勉強をさせていただくことができたと思います。盛りだくさんの内容で、株についての理解も深まり、日本経済に興味をもつきっかけになりました。