③4年生・早稲田大学連携授業(商学部)
このところの腰痛で治療に行ったら、「胃腸から来てますよ」と言われました。
う~む。ここ数ヶ月、原稿を書く仕事がたまって休日もトレーニングできず、座ってばかりいたのがよくなかったのでしょう。(校長になるとこれが多いんです。体育科の友人が校長になって「苦手だ~」と嘆いてました。)
私も、生徒と一緒に身体を動かす仕事は全く苦にならないのですが、一人でじっとしているのは苦手。作文の宿題でおなかが痛くなった小学生の頃から、あまり成長していません。
部活は苦にならない生徒たちも、苦手科目の勉強をするときってこういう感じなんでしょうね。
などと考えながら、事務室に入っていったら、眉間にしわを寄せた人が近づいてきて、ヒソヒソ声で、
「先生、先日の人間ドックのことで至急連絡が取りたいと看護師さんから電話がありましたよ」
(ふつう、ドックの結果って後から送ってきますよね?)
クラ~っとしながら、とりあえず一ヶ月の仕事の予定を確認し、覚悟を決めて病院に電話したら、とっても丁寧な説明。
ショックを与えないように遠回しに言っているのでしょうか?
「検体を間違って捨ててしまったので、もう一度検査させてください」ですって。
ふぅ~。50過ぎるとこういうの怖いわ~。
4年生の早稲田大学連携授業の続きです。担当の山田からの報告です。
足代訓史先生(早稲田大学商学部商学学術院)
「コンビニに学ぶ経営学」経営学とはどんな学問なのか?」という問いかけから授業が始まりました。
その答えを導き出すため、セブン-イレブンを例に挙げ説明してくださいました。売り上げが横ばいのスーパーや、売り上げが減少している百貨店に比べて成長著しいのがコンビニビジネスであり、近年では小型スーパー以上の役割を担っているとのこと。
多くのコンビニの中で、店舗数・売上高1位という圧倒的な強さを誇るのがセブン-イレブンであり、特に1日あたりの売上高が2位のコンビニより15万円も高いというのがすごいのだそうです。セブン-イレブンの強さの理由を経営学的に説明すると、「お客様を集め、逃がさないための独自の“仕組み”を持ち」、その仕組みは「見える」ものではなく「見えない」ところにあるから差がつくのだそうです。
例えば「ヨーグルトが最近よく売れている」という場合、他のコンビニでは「今日はよく売れた。明日はもう少し多めに仕入れよう」という結論になるのだが、セブン-イレブンではビタミン剤やのど飴の売れ行きも同時に考え、風邪の流行との関係に注目し、「風邪の流行が収まるまで100個以上仕入れよう」という観点で仕入れ個数を決めるとのこと。
このように「売れた理由を、いろいろなデータとの組合せで人が推理し、品揃えを決める」という方法が、1日15万円の差につながるのだとか。
つまりセブン-イレブンは「データと人が持つ知恵を組み合わせて、お客様が欲しい商品をタイミングよく品揃えさせるようなビジネスの“仕組み”を作り上げているから強い」のだそうです。最後に、「経営学の全体像と楽しさ」についてお話しいただきました。
経営学とは「ある会社が成功(あるいは失敗)した理由を様々な観点から解明」し、「どうしたらビジネスが上手く進められるかという、ある程度の予測を可能とする学問」であり、会社以外にも学校・病院のような公的組織や非営利組織なども対象としており、「一つの枠に縛られず柔軟な学問」なのだそうです。経営学によって、身近にある組織の秘密を理解することができ、組織の中で勉強したことが社会で即戦力になり、将来の職業選択にも役立ちやすい、といった点で、自分の生活・人生と密接に関わる学問と言えるとのことです。
また「大学の勉強とは、世の中にあふれる疑問を見つけて、自分で問題を作り、それに自分なりの答えを見いだすもの」であり、自分が「知的好奇心を持てる分野」だと勉強が楽しくなってくるが、分野を絞りきれない人は「いろいろな角度から身近な対象を眺められる、経営学のような分野を選ぶこともおすすめ」というアドバイスもいただきました。
経営学について分かりやすい事例を使って説明していただき、生徒の皆さんも経営学という学問に魅力を感じたようです。 また大学での勉強や早稲田大学商学部の魅力についてもお話しいただき、今後の進路選択に役立つ、有意義な時間になったのではないでしょうか。
◇生徒の感想より
・セブン-イレブンの経営戦略について初めて知って感心しました。即戦力になるのはとても良いなぁと思いました。
・同じデータを持っていても、使い方だけで15万円もの差が出るのはすごいと思った。
経営学はもっと難しくて固いと思っていたが、身近なものを対象としていて面白かった。
・コンビニだけでなく他の会社の経営戦略がどのようなものなのか学びたいと思った。