④5年生・早稲田大学連携授業(先進理工学部)
早稲田大学連携授業の続きです。先進理工学部の片岡先生の授業です。
自然界も、産業界も変化の激しい近年、大学もどんどん変わっています。本校と連携している早稲田大学でも学部の新設、再編が行われ、「理工学部」「第一文学部」という名前の学部はなくなりました。
親が過去の知識や経験から子どもにアドバイスすることが難しくなってくる中、こうして大学の先生に直接授業をしていただける機会はとても貴重です。
でも、「なぜ宇宙を研究しようとしたのですか?」「ブラックホールが好きだったから」この辺は昔の子どもと変わりませんね。
担当の横井からの報告です。
「X線・ガンマ線で見る宇宙」先進理工学部 応用物理学科 片岡淳先生
理系選択者を対象に「X線・ガンマ線で見る宇宙」というテーマで45分間模擬授業を行っていただきました。 近頃の天文ブームの影響もあってか、宇宙に興味のある生徒が多く、授業が始まる前から生徒の表情は生き生きとしていました。
授業はまず、波長やスペクトルについて、高校生でも分かりやすいような説明から始まりました。
授業でも扱ったことのある内容なので、記憶をたどりながら聞いているようでした。X線やガンマ線は私たちが見ることのできる可視光線よりも何万倍もエネルギーが高く、1000万度以上の世界を見ることができ、天体の組成をも知る手がかりとなります。
ところが、地上では観測することができないため、気球やロケット、人工衛星を使わなければなりません。
観測を行うための道具から工夫しなくてはならないのです。
そして、観測方法にもイメージ観測・スペクトル観測・強度変化観測など種類があって、それぞれの観測でできることを実際のデータを用いて見せていただきました。
また、超新星の残骸であるかに星雲、回転する中性子星パルサー、もっとも重い星であるブラックホールなども見せていただきました。
宇宙の99%はプラズマで、分からないことが多くあったけれど、観測技術の向上も伴って徐々に解明されてきているようです。
最後に質疑応答をさせていただきました。
生徒からは「なぜ、宇宙を研究しようと思ったのか?」という質問が。それに対して、片岡先生は「ブラックホールが好きだったから。でも、自分が研究する頃にはとっくに解明されてしまっていた。」とおっしゃっていました。
しかし、それで終わってしまうのではなく、新たな目標を設定した片岡先生の姿勢をぜひ見習ってもらえればと思います。中には、見せていただいたスライドをいただきたいと申し出てきた生徒もいた程、とても勉強になる授業でした。
これを機に、日頃から実験や研究の材料・道具・方法にも着目していってもらえればと思います。
片岡先生、お忙しい中ありがとうございました。
明日は、本校を会場に中学受験の模擬試験が行われます。私もスピーチの機会をいただいているので、本校の話だけでなく、受験の役に立つようなお話をしたいと思っています。