2012/11/24 土曜日

インターアクト部・特別講座 女川町「蒲鉾本舗高政」4代目のお話

カテゴリー: クラブ,保護者 — 漆 @ 20:21:40

今日もイベントが目白押し。

午前中は学校見学会がありました。

3年生の保護者の方向け講演会は卒業生ゲストに手伝ってもらいました。コメントがとてもおもしろかったのでのちほど。

午後はNLPのセミナー第一回。連続セミナーで、一クラス分くらいのお父様、お母様が参加なさいました。上級生のおやごさんがアシスタントをしてくださり、充実しています。

その後は、15時からお父さんの会の例会(80人の方が参加!)。私は学校行事のプレゼンをしました。カウンセラーやお父さんメンバーの講演もあり、これも内容充実なので、後日。

そんなこんなで、夕闇の中へと懇親会へと移動するお父さんの集団を見送りつつ(うらやましい・・・)職員室へ。この時間にようやくブログに取りかかっています。(こんなとき、教員からもらっておいたコメント文に助けられます。ありがと~)

土曜は卒業生も沢山遊びに来ていて、インターアクト部のOG会もありました。そのインターアクト部主宰の講演会の様子を顧問の佐藤から報告します。

11月6日講演会を実施しました。
講演して頂いたのは宮城県牡鹿郡女川町にある「蒲鉾本舗高政」4代目、高橋正樹様です。
高橋様とはインターアクト部の生徒が東北復興支援合宿で女川町を訪れ高橋様のお話を聞いたところからご縁が始まりました。

高橋様は自身が撮影した映像と写真、時には辛い経験談にもかかわらずユーモアまで含めて、現在の町の様子、テレビでは放映されない町の人の様子まで涙ながらに語って頂きました。
女川町は2011.3月の震災で町の83%が壊滅しました。現在の町は津波ですべてが流され何も残っていない更地だそうです。
今ではそこに町があったことさえ信じられなくなっていて自分が住んでいた町の様子が記憶から失われつつあり、実は昔の写真を見るのが辛いというのが本音だそうです。

まず、最初に映像を見て参加者すべての人が驚いたことがあります。
町が津波に飲み込まれていく映像では「キーン」という音がずっと聞こえていました。ヘリコプターが上空を飛んでいるような音です。
しかし、音の正体はヘリコプターが上空を飛んでいるのではなくたくさんの故障した車がクラクションをならしている音だそうです。
車が海に沈んで電気回路が故障したためにずっとクラクションがなっているのが原因です。
生々しい映像です。
映像を通して見ているだけで被害の大きさが現実的に感じました。

女川町には10mの津波が3度に渡ってやってきたそうです。
高橋様の会社の社員の人の中には10mの津波がやってくるとわかっていても海岸沿いの自宅に残された家族を心配して津波にのみ込まれ亡くなった方もいるそうです。

高橋様は、震災直後から会社の倉庫に残されたすべての蒲鉾を無償で配ったそうです。
配給物は甘い菓子パンやスナック菓子だけという変わり果てた生活の中でお年寄りの中には希望を失い、高橋様に、「私を殺してくれ。殺してくれ。」とお願いしてきた人もいるそうです。
小さい頃からお世話になっていた近所の知り合いのお婆さんだそうです。
自らも心が切り裂かれそうなほど辛かったそうです。

高橋様が震災中に作った暖かい蒲鉾が、町の人たちに希望と勇気を与え心もつないだ秘話に、生徒達や参加された保護者の方も目に涙を浮かべながら真剣に話を聞いていました。

現在、高橋様は会社を経営する傍らで女川町復興のために女川災害FMというラジオ局を立ち上げて町を元気にする活動も行っています。
一緒に活動している女子高生のエピソードも紹介してくださいました。そ
んな中で「人にものを伝える大切さ」、「正しい情報を伝える大切さ」「正しいことを継続する大切さ」を私たちに教えてくださいました。

最後に保護者からの質問で、なぜそこまで立派な活動ができるのですか?という質問に対して、高橋様は一言「女川の町が好きなんです。生き残った人間だから、自分は全人生を女川のために捧げたい」そうおっしゃっていました。
インターアクトの部員達は今後も女川町と交流をしていき、女川町の今を正しく伝えていきたいと言っていました。
自分たちにしかできないことがあるはずだと言っていました。
部員達はこのわずかな時間の中でも成長していることを感じることができる貴重な講演会でした。

 

 

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