入学試験が終わりました
昨日で入学試験が終わりました。入試結果はHPの入試情報→速報に掲載してあります。
合格発表の後、私はいつも複雑な気持ちになります。本校を選んでくださったすべての方とは、ご縁を結ぶことができないことを申し訳なく辛く思います。
私には第一希望の入試会場で貧血をおこして医務室に運ばれた経験があります。ましてや小学生が数年間にわたり受験勉強をし、短い入試期間に心身のコンディションを整えて実力を発揮するというのがどんなに難しいことか、そして、それを支えるご家族の大変さが思いやられます。
入試が後わってしばらくたったある日、受験生の親御さんからこんなお手紙をいただいたことがあります。
「親子ともどもこの学校が好きになり、数年間、受験勉強に取り組んだ。結果は思い通りにならなかったけれど、目標ができたお陰で集中力がついて頑張る子供の姿を見ることができたし、一緒に一つの目標に向かうことで家族の絆も深まった。この経験は子供の将来にとってきっとプラスになると思う」という内容でした。
入試期間中、何人もの親御さんから「もし思うような結果でなかった場合、どうしたらいいか」とご相談をいただきました。
長年、「受験のその後」を見てきて、うまくいかなかったことをプラスに転じさせているご家庭やお子さんから学んだことがあります。そこから3つあげてみます。
・親御さんは自分を責めない(自分の気持ちと子供の問題を分ける)
親御さんのしたことはすべてお子さんへの愛情からのことだったのではないでしょうか。あの時、自分が余計なことを言わなければ、あのとき自分がこうしていればと親御さんが自分を責めたり、お子さんに謝ったりすることは、受験した本人にとってつらいことです。それを繰り返すと過去を「うまくいかなかったこと」として印象づけてしまいます。自分の行動を「自分の問題」として受け止めることができた子はそこから学び、大きく伸びていきます。
(親御さんの辛い思いは、心にためておかず、お子さんのいないところで誰かに聞いてもらうなどして、一度表に出してしまうのも一つの方法です)
・得たものを数える
「○○だからよかった」と言葉にして「失ったもの」ではなく「得たもの」を数えてみます。過去を否定せずに視点を変え、肯定することでマイナスがプラスに転じ、お子さんの成長の糧になることがあります。あるお母さんが、お子さんがトラブルにあったとき、私にこんなことをおっしゃいました。「先生、大丈夫です。うちの子はマイナスをプラスに変えられる子ですから」そして、本当にその言葉通りになりました。その背景には、お母さんのお子さんを信じる強い気持ちと、物事のプラス面を見る子育ての軸が見えました。
・少し先を見る
うまくいかなかったことがバネになってその後大きく成長した子をたくさん見てきました。そういう子に聞くと「振り返ると、あのときうまくいかなくてよかったのかもしれない」「あれは運命だったと思う。あの経験があったから今がある」「その時よくないと思っていたことが実は一番いいことだった」などと言います。視点を少し未来に向けて、そこから今を見ることで、この子達の言っているような何かが見えてくるかもしれません。
とてもおこがましく、余計なお世話かと思いつつ、もし、少しでもお役に立つことがあればとお伝えしました。
追記:土曜から通常授業が始まりましたが、校長日記は11日の入学予定者登校日までお休みし、12日から再開します。