教科イチ押し見学会⑯東京地方裁判所
教科イチ押しの続きです。引率の窪田からご報告します。
東京地方裁判所の見学とは、裁判の傍聴をすることです。傍聴は誰でもできますが、団体で申込をすると、係の方(運が良ければ裁判官;今回は係の方でした)の説明を聞くことができます。
傍聴は4つのグループに分かれて、指定された法廷へ行きました。
裁判には「刑事裁判」と「民事裁判」の2種類があります。当日は、刑事裁判の中でも「刑法違反(傷害)」と、「覚醒剤取締法違反」の2種類、4つの事件についての裁判を傍聴しました。私が引率したのは、「傷害」事件でした。被告人が外国人だったため、通訳がいました。被告人は日常の会話には不自由しないようですが、裁判では専門用語が多く使われるため、通訳が必要なのです。
裁判の傍聴は、「真実」を見るので、大変重みがあります。「私語厳禁」ということを事前に注意しますが、裁判には緊張感があり、とてもしゃべる気になりません。生徒たちも、法廷内では一切私語をしていませんでした。
刑事裁判の流れは、冒頭手続(本人の確認・検察官の起訴状朗読など)→証拠調べ手続(犯罪事実の立証・被告人質問など)→弁論手続(検察官の論告・求刑・弁護人の弁論など)となっています。判決は、当日のある一定時間後か、後日下されます。
被告人のこれまでの経歴が明かされ、現場の様子などが知らされると、その場面が目に浮かびます。また検察官・弁護人・裁判官の発言や証人の話など、緊張感のあるやりとりがされます。
一通り裁判(弁論手続きまで)が終了し、別の法廷へ移動しました。来年から始まる裁判員裁判の形式をとった法廷で、裁判そのものや裁判員制度の説明を聞きました。
裁判員が参加しているため、両側に大きなディスプレイをかけ、重要な情報は目で見て確認できるようになっているなど、様々な工夫がされていました。裁判長が座る席には法服が置いてあり、試着することができるなど、生徒たちは緊張感がしばし解けて、とても楽しんでいました。
3年生はあと5年足らずで有権者となり、裁判員になる可能性があります。「皆さんももう間もなくです」と説明されて、意外に近くにある可能性に、身が引き締まった様子でした。
今回参加した生徒の中で、将来裁判員のみならず、裁判官や検察官、弁護士となって活躍する生徒がいるでしょうか?
※裁判所内は撮影禁止なので、敷地の外から建物を撮りました。