おひな様・教科イチ押し③【小林理学研究所】
もうすぐひな祭り。玄関前にはおひな様が飾られています。
これは、卒業生達が卒業記念品として贈ってくれたものです。 |
よく見ると、冠の家紋は・・・エンブレムです。 |
さて、教科イチオシの続き。小林理学研究所は中高分かれて見学させていただきました。
担当の工藤より中等部の報告です。
小林理学研究所は世界でも珍しい、音の研究をしている日本で唯一の研究所です。この施設へは毎年伺っており、この日も午前中に中等部、午後に高等部が見学に伺いました。中等部の見学では、最初に会議室にて講義を受けました。映画の予告編を観て、おかしな音に気づけるかという質問に対して、すぐに手を挙げて「宇宙空間では音が出ないはずなのに、宇宙船の効果音が鳴っていた」と答えたり、歌手の野外コンサートの映像を観て、前方の客席と後方の客席の反応を見て音の届き方が違うことにすぐに気づいて答えたりと、積極的に反応していました。その後、施設内にある超低周波音発生装置を使って、人間には聞こえない音を窓ガラスの振動で感じる体験をしたり、無響室や残響室で自分の声や拍手の響き方の違いを感じたりしました。音響博物館では毎年本校の生徒がチャレンジしていて未だに誰もできたことのない、噴水振盆の体験をしましたが、今回も誰も水柱を上げることはできませんでした。来年に期待です。最後の質問タイムで、「試験と実験の違い」を尋ねた生徒がいて驚きましたが、その回答にも驚かされました。試験と実験の違いは、計測と測定の違いのようなもので、ともに前者には目的がないが、後者には目的があるとのことでした。また、今回は男性2名と女性2名の研究員の方が担当してくださいましたが、音の研究についての話だけでなく、将来の職業についてもお話くださったことがとても貴重でした。研究者として、専門職について欲しいというご意見や、「どうして?」という想いが強い人はぜひ理系に進んで、その「どうして」という想いを突き詰めて行って欲しいという熱いメッセージをいただきました。中学生にとって、とても心に響く貴重な経験となりました。
続けて高等部は飯塚より報告します。
説明していただいたお二人の研究所の方は、音と音の重なりによって音が大きくなることや打ち消し(逆位相)によって音が小さくなる、あるいは無くなることの研究をなさっているということでした。たとえば、電車の騒音を消すことやスマホで通話するときに耳側から出る音をマイクで拾わないようにすることに役立っているなど、生活に役立つことを研究していらっしゃいます。高性能のスピーカーによる実験で、実際に音の重なりや逆位相による音の大きさの増大減少を体感できました。
また、趣味のようなものと言いつつ、象の低周波による会話も研究しているそうです。動物は、人間の耳では聞こえない周波数で会話しているようです。生徒からイルカがコミュニケーションをとるときの周波数はどのくらいですかという質問がありました。イルカは超音波で会話しているようです。
建築音響残響室では、どのような物質が音を吸収するかなどを調べていらっしゃると言うことでした。そこでの主任の方は女性の方で、理系の女性は、就職してからも、資格があれば復帰しやすい。好きなことをするのが一番で仕事も長続きするなど、文理選択の時期である高校1年生にとって貴重なお話を伺いました。
生徒の感想も
「無響室や残響室など、物理に興味が無くても面白く感じられるものが沢山あり、とても楽しく見学を終える事が出来ました。
特に、7ヘルツの音によって窓ガラスが揺れる実験や、低周波の音を出す装置によって髪や服が揺れる実験は地面が揺れているわけでもなく、音も耳では聞こえないのに、物が揺れるという現象に驚き感動しました。
他にも、バンッと音がする実験やコイルの実験というちょっと驚く要素も多く、次は何が見られるのだろう?とワクワクしながら見学をする事が出来ました。」
という意見が多く、興味を持ちながら楽しく時間を過ごしていたようです。