2011/6/25 土曜日

特別講座 「世界の中の日本」

 

今日はオープンキャンパス、多くの受験生、保護者の方がいらっしゃいます。生徒達が張り切って準備をしています。

午後になって空が曇ってきました。外でのクラブ体験もあるので、なんとか雨が降らないでいてくれるといいのですが・・・。

さて、社会科特別講座のご紹介です。昨日は、このシリーズの3回目でしたが、終了後も40分くらい質問が途切れませんでした。

こういったテーマを真剣に考える生徒達を見ていて、日本の未来は明るいと感じました。

社会科、大川からの報告です。

 A.T.カーニー日本代表の梅澤高明氏をお招きし、「世界の中の日本」をテーマに、全3回の予定で、4・5年生を対象に特別講座を行っています。第1回目は「世界の変化、日本の危機」について、講義をしていただきました。

 はじめに40年後(2050年)の世界経済に占める日本の地位についての質問(GDPベースで日本経済が世界経済に占める割合の予測)があり、日本にとってはかなり悲観的な数字であるにも関わらず、生徒たちは「2%」という予測値を、ほぼ全員が正解することができました。手前味噌ですが、普段の社会科の授業にきちんと取り組んでいる成果だと思います。この予測をもとに、日本がNDC(New Declining Country=新興衰退国)となりつつあることや、Japan Passing(外資の日本からの撤退や回避)が梅澤氏によって紹介されると、生徒たちも驚いている様子でした。

 つづいて20年後(2030年)、「世界経済の4%になった時、日本はどんな国になっている?」「自分や家族の生活は、どう変わる?」をテーマに、生徒たちによるディスカッションが行われました。このグループごとのディスカッションでは、活発な意見交換が行われ、「英語だけではなく、中国語の勉強が必要になる」「女性の社会進出が今以上に進む」などの意見が出されました。ディスカッションやそれに対する質疑応答の中で感心したのは、生徒が自分の頭で考え、自分の言葉で表現しようとしていることでした。これも中1からプレゼンテーションなど、様々な機会を通じて培われてきた成果だと感じました。

 最後に、人口・資源・経済・財政収支などの今後の見通しについての講義をしていただき、「日本の衰退を食い止めるために、何をすべきか?」という課題を次回までに考えてくることで、この日の特別授業は終了しました。

貴重なお話を伺うことができ、生徒たちもよく集中し、活発な議論も行われた、濃密な特別授業でした。

 生徒の感想を一部ご紹介致します。

「世界からの視点で見る日本は常に変動していて、日本の経済状況や震災などあらゆる理由によって‘見込みのない国’とみなされているという説を統計で確かめることにより、日本の将来への危機を感じました。また、ディスカッションを通して、悲観的なことばかりではない、と思うことができました。」

「日本の現在の位置がよくわかりました。世界の中では、日本は狭くて資源も少ないですが、培われてきた国民性や技術など、他国にはない物をひろめていったほうがよいと思いました。また、(ディスカッションは)白熱教室のようでした。もっとディスカッションをやりたいです。」

「Japan Passingという言葉をはじめて聞き、経済において日本の地位が下がっていることを知りました。経済は世界の様々な出来事と関連しているのだなと思いました。」

*昨年度、大学教授出張説明会でお世話になりました明治大学商学部教授の鳥居高先生よりブックフェアのご案内を頂きました。
素敵な取り組みなので生徒・卒業生の皆さんに紹介します。

ブックフェア「知の森へ~教授が新入生に薦める1冊~」
期間: 6月1日(水)~30日(木)
場所: 紀伊國屋書店 新宿南店