2009/2/23 月曜日

理科特別講座 日本大学理工学部

カテゴリー: その他,授業・学習・進学 — 漆 @ 12:56:36

理科特別講座のご紹介です。担当の荒井からご紹介します。

2/12, 2/19と2日にわたり、1年生対象の理科特別講座を開催しました。
この特別講座は、日本大学理工学部のご協力により行われました。
テーマは『波』で、音と光に関する講座でした。

初回は『音の数理と音階の数理』というタイトルで講義を受けました。
音には、強弱(大小)・高低・音色という三要素があります。
それぞれ科学的に見ると、どのような特徴があるのかシュミレーション実験をしました。
周波数の近い2つの音を重ねると聞こえる『うなり』の実験は、耳をじっくりと傾けて聞いていました。

主題は、「なぜ1オクターブは12半音でできているのか?」でした。
古代ギリシャ人は、すでに2等分した弦や弦の3分の1を切り落としてもよい音が出ることがわかっていました。

これは周波数比が3:2となります。
これを繰り返して、整数オクターブを作れないかということを考えました。
これは数学的に置き換えると、『2/3のn乗と2のm乗が等しくなる正の整数mとnが存在するか?』ということになります。

ぴったり等しくなる数はありませんが、n=12、m=7のときに近い答えとなります。
このため、12半音で1オクターブのなったという話でした。
1年生ににとっては、難しい話でしたが、真剣に聞き入っていました。

2回目は『プラズマ物理』ということで、さまざまな実験を行いながら、プラズマの性質を学習しました。

ロウソクの炎もプラズマです。炎の中では電流を通す性質があることが実験からわかりました。
また、簡易分光器を工作し、蛍光灯の光を見てみると、赤や紫といったいろいろな光からできていることがわかり、みんな歓声を上げていました。

他にもアルゴンのランプなど特殊な電灯を簡易分光器で観察したところ、電灯により、含まれている色が異なることがわかりました。

さらに、太陽を地上に作ろうとしている話を聞きました。
太陽では核融合反応が起きています。太陽では、重力により核融合反応が起きていますが、地球上で同じことは起こりません。

そこで、プラズマの性質として磁場(磁石)によってプラズマを制御できます。
この性質を利用して、地上に太陽を作る計画が着々と進められているという話でした。
2回目は多くの実験が含まれていたこともあり、楽しくかつ好奇心のわく授業だったようです。

最後に、生徒の感想をいくつかご紹介します。

・数学と音階がつながっていることがとてもびっくりでした。
・音について、くわしくわかっておもしろかった。
・音には、すごく深い話があるのだなと思いました。
・実験や工作があり、楽しかったです。
・身近なところにもプラズマがあることに驚きました。
・物理に興味が少しわいてきたので、今日のことを忘れずに理科を勉強したいです。

普段の授業で受けられないようなことがたくさんあり、自分でさらに調べてみようという気持ちになったようです。自然科学に対する好奇心を持って、今後も学習をしてほしいなと感じています。

rika11.jpg音の授業風景です。
rika21.jpg簡易分光器を作製している途中です。
rika31.jpg簡易分光器を使って特殊な光を見ています。
rika41.jpg簡易分光器で蛍光灯を見たときの様子です。さまざまな色が含まれていることがわかります。

*日本と台湾の若い世代の相互理解と交流を目的にした「第6回 日台文化交流・青少年スカラシップ」の審査委員長特別賞に4年の松尾麻由さんが選ばれました。(産経新聞)

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