2011/6/24 金曜日

特別講座「ちいさな哲学者たち」 中高時代の授業とは・・・

今からこんなに暑くて7、8月はどうなるんだろう?という感じですが、生徒達は節電に協力してくれています。

早いものでもうすぐ期末テスト。暑さに負けず、授業中は絶対寝ないこと!

高校時代、男子に「ネブタ」と言われたこともある私。後でそうして無駄にした時間をどんなに悔やんだことか。

言うまでもなく、最も効率のいい勉強方法は授業に集中することです。授業は、体系的に学んでいくのでその分野の全体像をとらえることができます。また、チームで学べるので、思考が深まり、「あのときあの子がこう発言した」などという場面と一緒に記憶が定着します。

そうしてじっくり時間をかけて身につけた知識や知恵は、忘れてしまっているようでも、潜在意識に残っているのです。

高校生の私は「歴史は暗記科目、どうせ忘れるから受験生になったとき覚えればいい」などと思っていましたが、とんでもない!

さらに、その後の人生で気づくことが。

大学で専門分野となる科目や得意科目は卒業してからも学びのチャンスがありますが、その他の科目のほとんどは、高校時代に学んだことが「人生の最高知識」になります。

入試に出るとかでないとか、そんなこととは関係なく、まんべんなく学んでおくことが必要です。

将来仕事をするときも、人と会話を楽しむときも、中高時代に築いた総合的な知識のベースが自分を支えてくれるのです。

そうして、知識の引き出しを作って置くことでアンテナが立ち、その後、見聞きしたことが自分の血肉になりやすくもなります。

私は数学が苦手で早めにそこから逃げましたが、今の仕事には数学的な物の見方が要求されることが多く、本当に後悔しています。

生徒の皆さん、「後悔先に立たず」です。私は自分と同じ後悔を大切なみなさんにはさせません。

校内を回っているときに、万が一、居眠りしている人がいたら容赦しませんからね!

さて、その将来に向け早いうちに学んで起きたい学問分野のひとつ、

「哲学」の特別講座の様子を担当の住谷から報告します。

来月9日より、フランス映画「ちいさな哲学者たち」が日本で公開されます。
フランスの幼稚園で行われた、哲学の授業を追ったドキュメンタリー映画です。

その配給を行っている映画会社「ファントム・フィルム」に本校の卒業生がおり、この映画を見て「何か後輩達にできないか」と考えてくれました。
その尽力の甲斐あって、立教大学文学部教授の河野哲也先生とファントム・フィルムとのコラボ授業に、本校生徒も参加させていただくことになりました。

当日は文化祭準備や留学発表会など忙しい中、5年生12名が立教大学での授業に参加しました。

まず、河野先生による、日本そして世界における哲学教育の現状やユネスコの見解について概説を聞き、その上で「ちいさな哲学者たち」のダイジェスト版を見ました。
小さな子ども達が、「大人と子ども、どっちがえらいの?」「自由って何?」と先生の問いかけに対し、たどたどしい言葉ながらも自由に意見を述べていくうちに、
考え方がまとまり、そして鋭い視点で意見交換をしていく様子に、最初は笑いながら見ていた学生も生徒たちも驚きの声を上げていました。

その後、グループディスカッションを行い、本校の生徒たちも大学生や社員の方々に混じって映画の感想や哲学を学ぶことについて、意見交換をしました。
最初は戸惑っていた生徒たちも学生の積極的な姿勢に刺激され、徐々に笑顔を見せながらディスカッションに参加していました。

授業後、先輩にお礼を述べ、立教大学の名物、蔦の絡まるキャンパスを背景に記念撮影をして、終了しました。

生徒たちの感想を見ると、皆一様に
「あんなに小さな子どもでさえも、物事をしっかりととらえようとしている」
「哲学を通して自分を見つめる、価値観を持つことの大切さを知った」
「哲学をもっと堅苦しい学問だと思っていたけれど、身の回りのことについて考えると思えば難しいものではない」
「あのように小さいうちから自分で考える習慣をつけることが必要だと思った」
「大学生の意見の深さに驚いた」
という意見を述べていました。

5年生では、ちょうど公民で倫理の授業を受け始め、世界史でもギリシア哲学やヘレニズム哲学に触れたばかり。
進路を前に自分を見つめる時期にさしかかっている生徒たちには、大きな刺激となった授業でした。

卒業生のTさん、ファントム・フィルムの皆さん、立教大学の河野先生、学生の皆さん、素晴らしい機会を与えて下さり、
本当にありがとうございました。

ぜひ本編の映画もご覧下さい。

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