2009/11/9 月曜日

限界までやってみる

「一つのことを自分の限界までやった体験のある子は強い」と卒業生を見ていて感じます。

勉強でも部活でも。

それが好きだから。目標があるから。みんなが喜んでくれるから・・・。
動機は一人ひとり違っても、一つのことに懸命に取り組む過程で、自分と向き合い試行錯誤を経て得たものは、身体の中に残ります。

そして、全く別の何かに出会ったとき、応用が利くのです。例えば、

■ 行事の責任者としてクラス内のぶつかり合いを乗り越えたから、今はチームで仕事ができる。
■ きつい部活と勉強を両立できたから、今も競技を続けながら家庭と仕事を両立している。 など。

少し前に「15歳から自転車競技の日本代表として活躍しつつ、数ヶ月の学習で医学部に進み、医師国家試験に合格した」という人に会いました。
(もともと頭がよかったのでは?と聞いたら、試験3ヶ月前の模試ではまったく合格圏に届いていなかったそうです)

そこで、合格の秘訣は?と聞くと、

「スポーツで身につけた体力、集中力、そして勝つためにいつも頭を使っているので、その戦略を受験に応用した」そうです。

さて、委員長・部長と、特別な立場を体験しなくても、この方のように特別に身体能力に恵まれていなくても、若い時に自分の限界に挑戦できること、それは、

「受験勉強」ではないでしょうか。

受験勉強で身につけた目標設定、現状分析、計画立案等のスキル、弱い自分に勝つ力、困難を乗り越えたときの達成感・・・。
それらは、将来、「これだ!」という道が見つかったとき、仕事でプロジェクトを任されたとき、きっと自分を助けてくれるはずです。

きのうも、「受験で身につけた語学学習のスキルを次の目標に活かしている」という卒業生の話を聞きました。

私自身はこの時期、やらない理由をあれこれ見つけては逃げていたので、受験に関しては「限界までやりきった感」がありません。
目の前の苦しさから逃げたい、一生懸命やってだめだったらどうしよう、そんな気持ちがあったのかもしれません。
いま振り返ると、折角のチャンスを本当にもったいないことをしたと思います。

そして、たとえその時点の結果が思い通りでなくても、

「限界までやって身につけたものは、自分の中に深く沈んで熟成し、本当に必要なときに形を変えて現われてくる」

多くの卒業生のその後を見るにつけ、その確信を強くしています。

*新型インフルエンザ(H1N1)感染に伴う学級閉鎖基準の見直しについて、本日、お子様にお手紙をお渡ししましたので、ご確認ください。保護者ページにもアップいたしました。