2009/8/28 金曜日

国語特別授業 2年生

カテゴリー: 授業・学習・進学 — 漆 @ 14:45:29

一学期に行った特別授業です。担当の江頭のブログから抜粋してご紹介します。

この授業は、NPO法人企業教育研究会が主催している出張授業で、現役の読売新聞社の記者の方が授業を行って下さるというものです。
1学期前半の授業のテーマは「メディア」。授業では、テレビを初めとするメディアの情報がいかに発信者の主観に左右されるかというような、やや堅めの内容の文章をいくつか読み、そのようなメディアについての意見文を執筆してきました。
そうした教材を読んだ後で、「新聞」というメディアを作っている方に直接記事の書き方を習います。

2244.jpg最初に、記者の方から当日の朝刊を見ながら「新聞について」のお話を伺いました。1面から順に重要度の高いものが載っているといった一般的な紙面構成の話、新聞によって主張やニュースの価値付けが異なるなどといったお話です。

今回の授業では、読売新聞の2面にある「顔」という人物紹介のコラムを生徒自身に書いてもらうという活動を行います。
重要度の高い情報を載せる2面にこの記事があるのは、その時々の時代を象徴するような人物を取り上げることで、その時代を理解する助けとなるようにという意図があるそうです。

続いて、新聞がどのように作られているのかについてのビデオを見ました。
新聞では1面あたり60名もの記者が取材していること、取材拠点が海外も含めて380カ所にものぼること、記事を書くだけでなく書いた記事の校正を一字ずつ丁寧に確認する校正作業をする人や、見出しだけを考える人がいること、など新聞が出来るまでについての具体的なことを知ることが出来ました。

sinnbun2.jpgそして、いよいよ「顔」を書く準備に入ります。

今回は、自分で自分を客観的に捉えて「顔」の記事に仕立てることになりました。
まず、「自分が今がんばっていること」を「プロフィールカード」に記入します。それを3人グループになってお互いに見せ合い、順番にインタビューをしていきます。

cimg24951.jpg人の目で取材したメモに基づいて書くことによって、自分を客観的に見つめ直すことができます。
インタビューの仕方を確認したらインタビュー開始です。

その前に、「顔」の記事をみんなで読んで記事の構成について考えました。
新聞記事は、基本的に現在→過去→未来という時間の流れで書かれているそうです。
これは、まず今何が起きているのかを知らせ、その背景や原因を解説し、今後の展望や課題を述べる、という流れが基本だから。もし、スクープ記事などが飛び込みで入ってくると、記事の後ろの方からカットしても大丈夫なようにこのような構成になっているのだとか。

sinbun31.jpg

「顔」もコラムとはいえ同じ構成です。
そこで、今インタビューしてもらったメモを見ながら、「現在、自分ががんばっていること」「なぜそれを頑張りはじめたのか、今に至るまでの経緯はどうだったのか」「これからの目標はどうなのか」といった流れで執筆開始です。

最初は「がんばっていることなんか、何もない」と嘆いていた子も、友達のインタビューを受けたり、記者の方に助言していただいたりする中で、少しずつ自分のなかの「頑張り」が見えてきたようで、次第に目が輝きはじめました。「こんな小さなことでも、人に語っていいんだ」という発見が、一人一人の背中を押していくのが感じられます。

最後に、記事を書き上がった人の中から記者の方が何人か選び、みんなの前で発表しました。短時間で仕上げたとは思えないほどしっかりした文章ばかりです。スクリーンに映し出された自分の手書きの原稿をマイクを持ってステージ上で読み上げる姿は、恥ずかしそうでもあり、嬉しそうでもあり・・・。

発表を受けて、内容面や表現の工夫などについて記者の方が講評して下さり、授業が終了しました。

今回書いた記事は、クラスごとの冊子にまとめ、できあがった作品は文化祭でも展示します。是非見においでください。