⑪教科イチ押し【宮内庁書陵部】【東京ジャーミィ】
教科イチ押しの続き、引率の飯塚からの報告です。
教科イチ押しでの見学は、宮内庁書陵部です。
東西線の竹橋1a出口から西へ5・6歩くと北桔橋門につきます。(写真)皇居周辺は静かな佇まいです。
書陵部の伊藤様の案内で門から皇居に入り、書陵部の建物に案内されました。
書陵部内部は、写真は撮れません。メモをとる筆記用具も鉛筆のみです。まず、最初に会議室で、書陵部の概要の説明を聞きました。
書陵部に保存されている歴史的資料は、古代から現代にいたるまでの皇室関係資料を一元的・系統的に集成したものだということです。
具体的には、歴代天皇の宸翰(しんかん:天皇自筆の文書のこと)や公家の伝世資料、徳川家以下の大名や学者の家に伝世した資料等、人々の旧蔵書や明治以降に蒐集された貴重図書類だということです。
展示室で、今回見学させていただいた資料は、以下のものです。
「竹取翁并かぐや姫絵巻物上巻」、「古今和歌集 上」、「源氏物語(青表紙本系)若紫」、「堤中納言物語」、「方丈記」、「百人一首」、「つれつれ草」、「百鬼夜行絵巻物」、「花園院宸記 巻6」、「織田信長朱印状」、「吉良上野介屋敷図」、「富士山図並織仁親王画讃和歌幅」
です。特別に品川女子学院用にパンフレットを作っていただきました。展示室での説明では、まず、本の綴じ方・巻物について。また絵巻物のしまい方、原本のひらがなを翻刻すること。天皇の宸筆:明治天皇・大正天皇・昭和天皇のお名前について。感動したのは花園院17才のときの日記です。失礼ではございますが、見事で、17才の文字には見えません。幽霊を書くことで有名な円山応挙の富士山の図もきれいでした。
案内をしていただいた担当の方には大変お世話になり、興味の尽きない大変有意義な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
引き続き、引率の住谷からの報告です。
代々木上原にある、東京ジャーミイ及びトルコ文化センターに4・5年生計22名と行ってきました。大昔、5年生有志を連れて行ったことがありますが、昨今、イスラーム過激派のテロ関連のニュースが世界を震撼させており、イスラームに対する正しい理解が必要かと思い、今回見学場所に入れてみました。東京ジャーミイは、元々1917年に起きたロシア革命の際にソヴィエト政権の宗教弾圧から逃れて日本に来た、トルコ系住民によって作られたのが元となっています。その後老朽化に伴いトルコから多くの建設資材や技術者を集めて新たに建設し、2000年に完成しました。
イスタンブルのモスクにならったクラシックスタイルで、外観はもちろん、モスク(礼拝所)内の装飾も素晴らしいの一言、生徒たちも感激して写真撮影をしていました。
今回解説してくださったのは、数少ない日本人ムスリムの下山さん。イスラームの基本的な教えやムスリムとしての義務、礼拝における作法とその意味、科学や数学など世界に影響を与えたイスラーム文明についてなど、非常に熱心に生徒たちに伝えてくださいました。
ちょうど昼の礼拝時を迎えたため、モスクにはムスリムが次々訪れ礼拝を始め、その様子を間近で見学させていただくことができました。終了後、下山さんの声かけでお話を伺うことができ、トルコからの留学生であったり、マレーシアからの観光客であることが判明。日本に住むムスリムの拠り所となっている様子を知ることができました。 また、女性と男性の礼拝スペースが分かれており、決して差別ではなく、男性も女性も一心に神に向かい合うための方法であるという理由を知ると、なるほどと深くうなずく様子も。
イスラーム暦のラマダン(断食月)には、日没後にトルコ料理を振る舞い、ムスリムと非ムスリムの垣根を超えた交流もしているとのこと、ぜひ遊びに来てくださいと言われ、興味津々の生徒たちでした。
世界に目を向けると今や世界人口の4人に1人がムスリムという時代。最近は都内近隣の中学高校でもこちらへの見学が増えているとのこと、少しでも正しい理解のもとで関係を作っていければいいなと感じました。
下山さん、ジャーミイの皆様、ありがとうございました。