2015年11月12日

櫻井よしこさん・山中伸弥さんの特別講座

Filed under: お知らせ,世界,日本,社会 — 漆 @ 4:49 PM

昨日、高等部の朝礼で挨拶の大切さについてあらためて話しました。すると、今朝は高等部の生徒たちがいつもの4割増しくらいの声で挨拶をしてくれます。(ちょっと照れ笑いをしている子も)こういうところが品女生のかわいいところです。挨拶はコミュニケーションの第一歩。私たち大人もお互いにさわやかな気持ちになるような挨拶を交わしたいです。

さて、日曜に3~5年生、61名が参加し特別講座として引率した櫻井よしこさん、山中伸弥さんのディスカッションの様子をご紹介します。

会は午後2時からでしたが、生徒達はお手伝いをするため一時間前に到着。事前にアンケートをとったところ、ほぼ全員がボランティアを希望してくれたので、その中から4年生に案内を手伝ってもらいました。いつも行事の運営で鍛えられているので、こういうとき臨機応変に動いてくれて本当に助かります。

PB080154  前半、櫻井さん、山中さん、ジャーナリストの花田さんのパネルのあと、61人の生徒から代表で5人が登壇。かなり緊張気味。
PB080167  一人一人、自分の取り組んでいることを紹介しつつ、質問をしていきます。

生徒のコメントの一部を抜粋します。

・将来の夢は検査技師。IPS細胞の培養を経験したが、活きた細胞を扱うことに大変緊張した。最近の容器の開発で簡単に培養できる方法ができたとのニュースを目にしたが、将来、自分が仕事に就く頃はそうした技術が主流になっているのだろうか。

・生物部部員として、生物学の楽しさを伝えるという目標を持って活動しているが、イメージの問題からか新入部員が集まらない。山中先生も、1日も早いIPS技術の実用化という目標を掲げ、人材確保の面で苦労されていると伺った。どうしたら生物部に人を集め、継続させられるか。

・S&Sでカンボジアに学校を建て備品の供給などを行ってきた。今は周辺地域の地図をネットを用いて作っている。かつては莫大な時間と人手を必要としていた作業もITを使えば容易になる。現在多くの人手を必要としているIPSの研究にも、AIの技術を用いれば負担を軽減でき、実用化が加速すると思うがそれは可能か。AIが代用できない技術、つまり人にしかできないことは何か?

・将来は医師になりたいが、その理由は「人」が好きだからだ。それ故、生まれつき障害のある人をみると、ある種の理不尽を感じるが、その感情は幼少期の入院体験からきている。晩婚化に起因する高齢出産のリスクを、IPS技術を用いた胎児の細胞移植という形で軽減できないか。これが可能なら高齢化に歯止めをかける方策となるが、技術的に可能か?

・クラブで東日本大震災の被災地を4年間訪れているが、被災地という枠をはずして考える時期が来ていると感じる。被災地が自立し、地域として価値を生む方向に進むべきではないか?すでにその活動をされている方々と出会ったが、現地には高齢化した地域も多い。若者が少なくても地域の魅力・産業を活性化させる方法はあるか?

山中さん、櫻井さん、そして、会場の金美齢さんはじめ、皆さんから、一つ一つ丁寧にお答えをいただきました。

・自分が高校生の頃と比べて、大変意識が高いことに驚いている。

・人の力を集めるには感謝の心が大切。成果をすべて自分の手柄と勘違いしてしまう人はどこかで躓く。

・AIにできないこと、医師の仕事で言えば、信頼を得ること。例えば、「手当」という言葉があるように、人と人とのつながり、コミュニケーションの必要な仕事は残る。

櫻井さんからは、お電話をいただき、「生徒さんに私がとても感激したと伝えてください。」と、また、山中さんからもお手紙をいただき「生徒さんにもよろしく」とのことでした。

詳しい内容は、明日、11/13金の言論テレビをインターネットで是非、ご覧ください。当日に限り、会員以外の方も視聴できるそうです。

*今日はこれからお花の生け込みです。週末、銀座にお越しの際は是非お立ち寄りください。

FlowerJapan2015~ビジネスリーダーたちのいけばな展

11月14日(土)15日(日)11:30-19:00 銀座ポーラミュージアムアネックスにて