教育改革
先日、近所の方から「散歩中に逃げた犬を生徒さんが追って探してくれた」と、お礼にお花を持ってきてくださいました。玄関に飾っています。
優しい生徒は誰でしょう? |
昨日、今日は自宅学習日で、静かな校内です。昨日は、新内閣になって初めての教育再生実行会議でした。報道されているように、新内閣では、教育を政策の一つの柱とし、予算を取って実現していくそうです。日本の教育予算はGDP比でOECD諸国で最低レベルと言われてきましたが、人口減少社会の中で、教育を未来への投資として国が動き出すことを期待しています。私も具体的な政策が現場に降りるとき、以下の三つを注意深く見て、発言していきたいと思っています。
1、各政策が矛盾しないよう、横串が刺さっているか。
例えば、大学受験で英語外部試験が利用されるようになりますが、この有効期限が高3の4月から12月、2回の受験のみに限定されることになるそうです(多くの試験の有効期間は2年、英検は生涯資格)。グローバル人材育成を目指した小学校からの英語教育、トビタテ留学ジャパンなどでの留学支援、SGH、大学のグローバル化などの各政策と矛盾するのではと危惧しています。
2、政策の優先順位を見極めるているか。
例えば、幼児教育無償化を計画する際、まず、待機児童問題を解消し、保育士を増やさなければ、無償になるのは一部の人たちになってしまい、格差が広がる可能性があります。また、小学校の英語教育やICT教育を推進する場合は、教員の要請、確保が必要になります。現状では、中等教育でも英語教員の確保は難しくなっています。先端分野については、教員免許制度や教科書(ICT などは紙の教科書は作ったときにはすでに古くなっているので、ウエブ状の教材プラットフォームを作るとか)の見直しも必要になります。
3,政策を進める際に、形にとらわれ、手段が目的になっていないか。
例えば、いじめ解消の調査に教員が忙殺されれば生徒と向き合う時間が少なくなります。ゴールを考えず、アクティブラーニングという言葉が一人歩きすると、教育効果の低い授業が行われてしまう可能性もあります。今後、大学入試は調査書が重視される方向ですが、記入できるエビデンスの幅を持たせないと、調査書のために公的な受賞歴を求めるような傾向も出かねません。
*日経ウーマンオンラインにインタビュー記事が掲載されました。