2019年11月25日

大学出張授業 東京理科大学 建築

Filed under: 授業・学習・進学 — 漆 @ 2:58 PM

大学出張授業のつづきです。担当の塩崎からの報告です。著名な建築家の先生にお話しを伺うことができ、将来、建築系に進みたい生徒だけでなく、視野の広がるお話しをしていただいたようです。

今、建築中の校舎をお願いしている清水建設にも、文系理系、両方の卒業生が就職していて、本校を訪ねてきました。(一人は、本校の建築現場を初任者研修先に希望してくれたそうです)

社会には様々な分野の仕事があり、今は、文系理系の垣根を越えた領域も多く存在します。そんな未来を垣間見る機会になりました。

東京湾アクアラインの「風の塔」など、私たちも目にしている作品を制作されている建築家の坂牛卓先生に、東京理科大学よりお越しいただきました。

 

「大きな塔と小さな家」と題し、前半は「大きな塔」、後半は「小さな家」について、先生の作品を例に具体的なお話をいただきました。
「大きな塔」の例として、ドリカムのPVの舞台となった「風の塔」をお見せいただきました。

 

 

DREAMS COME TRUE feat. FUZZY CONTROL – 「その先へ」

クライアントからの要望に疑問を持ち、ご自身の「省エネ」というコンセプトを提案されてそれが通ったという裏話も教えてくださいました。

2枚の羽根のイメージの作品で、羽根の間を通る北北西の風を利用してトンネル内の汚れた空気を排気しているそうです。

青と白の縞模様については、日本画家の平山郁夫氏のアドバイスで決まったとのことでした。

「小さな家」の例は、「HouseHouse(内の家)」という個人の住宅でした。

こちらもクライアントに嫌だと言われた黒い壁(隣の公園を眺める額縁として黒を提案されたそうです)は、結局気に入っていただけたということでした。

また、この作品は内部の吹き抜けが家の外見と相似形になっていて、家族構成は変わっても、「実」の外と「虚」の内の2つの家の形は変わらない、という意味があるそうです。

「建築は数学と物理が必要な学問ですが、私が現在している仕事はほとんど文系の仕事です」と先生がおっしゃっていたのが印象的でした。

生徒のワークシートより:

・建物を建てるまでに、風圧のことだったり、他の建物の歴史だったり、他の知識も多く必要なことがわかった。

・HouseHouseのデザインが物凄くかっこよかったです。1階の大きな窓のデザインが素敵だなと思いました。依頼者の要望に1つ1つ応え、先の事をも考えて設計されており、断片的ではなく連続的に捉えてつくりあげていくのが魅力的だと感じました。

・ビルなど大きい建築物を建てたいと思っていましたが、家は毎日変化するのでとても興味を持ちました。

・私は理系に進んでいますが、哲学など他の文系の分野にも興味をもっているので、今は文系的なことを考えているとのお話、とても心に残りました。ありがとうございました。

*昭和女子大理事長の坂東眞理子先生からご著書「70歳のたしなみ」をいただきました。
生徒向けのサインもしていただき、図書室に入れました。年齢を超えて必要なたしなみについても書かれています。