2017年3月30日

⑬教科イチ押し【国際子ども図書館】【神奈川近代文学館】

Filed under: 授業・学習・進学,社会 — 漆 @ 3:35 PM

教科イチ押しの続き、引率の伊達木からの報告です。

2016年3月に全面リニューアルオープンしたばかりの、上野にある国立国会図書館国際子ども図書館に1年生が伺いました。

IMG_0575s まず職員の方に、国際子ども図書館とはどのような図書館なのかを説明していただきます。日本国内の子ども向けの本が全てあり、また国外の資料も収集しているその規模に驚いたようです。

館内見学では、明治に建てられたレンガ棟の美しい漆喰装飾や照明器具、両側から押して開けられる重厚な扉などの説明を伺いながら案内をしていただきました。子どもの部屋では、「これ読んだことある本!」「友だちが好きだって言ってた本!」と楽しそうに本を開いていました。

IMG_0579s そして、2015年に開館したばかりの新しいアーチ棟の書庫も入れていただきました。普段は職員の方しか入れない場所で、中の資料を守るために様々な工夫がされているのを生徒たちも興味深そうに見ていました。

 

IMG_0580s 見学後は調べもの体験プログラムを受けました。レンガ棟にある調べものの部屋で、そこにある資料やPCを利用して、図書館における調べものを体験できるプログラムです。

2人1組で、3つの設問を調べました。「バイオリンを奏でていたら、楽譜にこんな記号が出てきた。どんな風に弾けばよい?」などどうやって調べるか考えさせられる問いです。
図書だけでなく、インターネットを利用しても良いとのことでしたが、生徒たちがまず本から調べ始めたことに感心しました。本で探せなかったものはインターネットも利用し、設定時間15分のところ10分ほどで調べ終りました。
答え合わせをしながら、本とインターネットそれぞれの調べる上での利点と欠点や調べるコツも解説していただきました。全員全問正解で、職員の方にお褒めいただきました。

最後に生徒の感想を紹介します。

・昔の建物を使っているところもあって、すごいと思いました。

・火災のときは水ではなくちっ素が出ると聞いて、ちゃんと本のことを考えてつくられているんだなと思いました。

・日本の絵本が外国語に訳されているのに驚きました。

・本がたくさんあって探すのが大変でした。でも上手くキーワードがあえば、ちゃんと探せました。

・検索のコツを知ることができてよかったです。

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引き続き、引率の小川からの報告です。

教科イチ押し見学会で、高校1年・2年の生徒28名と「神奈川近代文学館」に行きました。
横浜の公園を抜けたところにあり、文学館に行く途中では海も見える素敵なところでした。

まずは常設展「神奈川の風光と文学」「文学の森へ 神奈川と作家たち」を観覧しました。
今の時期は太宰治、三島由紀夫から現代の村上龍、島田雅彦までの作家の直筆原稿や書簡、初版本など、貴重な資料が展示されていました。
直筆原稿には作者が書き込んだ修正の跡、編集者による赤入れが生々しく残っており、今も読まれている有名な作品は実在した作家がその手で書いたのだと実感させられました。
「書くだけで仕事になるってすごい」とつぶやいている生徒もいました。
ある作家の展示を見ていた生徒は、自分の好きな作家なのか、今はじめて興味を持ったのか、じっくりと眺めていて邪魔してはいけない雰囲気がありました。

その後、神奈川近代文学館についてのビデオ鑑賞をして、広報の方から文学館のお仕事についてのお話を聞かせていただきました。
文学館は一般的には文学の展示をする場所というイメージですが、実際は図書館と美術館の2つの要素があって、文学に関する資料を保管する仕事と、その資料を展示するという仕事があるそうです。そのため、学芸員の方は資料の検索をしたり展示の構成などを考えたりなさっているそうです。
お話をしてくださった広報の方も、大学では日本文学専攻ではなく図書館情報学専攻ということでした。
作家や小説についてのお話では、作家のエピソードが面白く、授業では聞けないようなお話で、難しい文学のイメージが変わったのではないかと思います。

生徒の感想では、

「今まで知らなかった作家のことが知れてよかった」

「『死なずに生きとほして来たことだけでもほめてください』という太宰治の手紙の一文がとても太宰らしいなと思った。」

「太宰治の顔のファンになった」(!?)など、学校の授業ではなかなか知ることができない、作家の持つ様々な面に触れることができて、親しみが湧いた生徒が多かったようです。

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