2011/7/15 金曜日

ATカーニー梅澤氏による特別講座(第2回)

カテゴリー: 28プロジェクト:社会,授業・学習・進学 — 漆 @ 17:28:05

今日は、4,5年生は大学教授出張授業、6年生は大学入試の説明会(各大学のご担当がお越しくださいます)、3年生は能楽鑑賞(私はこちらに同行)です。

社会科・大川より、ATカーニー 日本代表 梅澤高明氏による特別講座の第2回の報告です。

第2回 「日本の強みと希望」についての講義です。

第1回目の講義の内容とディスカッションのおもしろさに惹かれたせいか、生徒たちは始まる前から目を輝かせています。
第2回は「日本が世界に誇れる魅力、強み、良さはどこにある?」という問いに対するディスカッションで始まりました。

生徒たちは自分たちで国民性、文化、環境などの観点に分けながら、様々な意見を出してきます。
特に指示はしていないのに、前回のディスカッションの経験を活かして、観点を分けて議論しているところに成長の跡がみられます。

第1回の講座で日本の凋落予想についてご講義いただいたことを踏まえて、その予想を覆す鍵はどこにあるのかということを探っていきます。
日本発の、そして世界初の製品--ウォークマン・カーナビ・デジタルカメラなど--を日本は作ってきたこと、そして白色LEDや太陽電池バックシートなど先端部品・先端素材を世界に供給し、そのシェアも高いことを提示いただき、技術力では日本が依然高いレベルにあることを確認しました。
さらに日本食やファッションなどのクール・ジャパン・コンテンツが世界的に注目を集めていることなどを紹介していただきました。
また、東日本大震災への対応で示された「日本人の勤勉さ」が世界にとっては驚異であったことも資料で紹介していただきました。

さて、これらのことを学んだ後に2回目のディスカッション、テーマは「こんなに良いところがあるのに、なぜ日本の経済は低迷しているの?」です。難題です。生徒たちはこの難題に果敢に挑み、自分たちが持っている知識をもとに、先ほどのディスカッション同様、観点別に分けながら次々と分析していきます。
とにかく意見が次から出てきて、それを付箋に書いて模造紙に貼り付けていきます。書いたものをもとにして、さらに議論が深まっていきます。
主な意見としては「マネジメントが下手」「海外のニーズに応えていない」などが出てきました。

最後に梅澤氏から、日本食など日本のコンテンツを使って外国資本が利益を上げている具体例やデータを説明していただきました。
その上で、日本は「技術で勝って、事業で負ける」「世界や長期の視点が乏しい」という指摘があり、今後取り組むべき日本の課題を明らかにしていただきました。

以下、受講した生徒たちの感想(抜粋)です。

「日本の産業技術は世界と比較してもレベルが高くて、それが世界で認められているのに、外国の産業が日本のもので、日本よりとても 多くの収益を得ていることがとてももったいないと思った。日本が“世界”や“長期”という点から産業を発達させるためにはどうすればよいか、ということに関心を持った。」
「日本の政治家にしても、技術開発者にしても、もっと世界的な広い視野を持って物事を考えられる人材が必要だと思いました。…… 日本人の意識を高めて,世界に目を持つことが、未来の日本を守るために必要だと思います。」

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