就活で行き詰まっている卒業生へ
先日、卒業生と話していたら、「○○社、3次面接で落ちました。でも、○○社は書類が通ったのでまた頑張ります」と、就活の話になりました。
品女時代から頑張り屋さんで、部活では全国優勝。大学に行ってからも積極的に様々なことにチャレンジしている子です。
大学に新しい事を提案してそれが通ったり、ブータンにホームステイをしたり。
こんなこともありました。
「大学が初めて海外の大学(世界ランキングでもトップクラスの学校です)との単位互換プログラムを実施することになり、それに申し込むかどうか悩んでいる。私は完璧主義だからあれもこれも手を出して、やりきれないんじゃないか」
と相談され、だめもと主義の私が、
「やって失敗した後悔とやらなかった後悔とどっちが大きい?」と聞いたところ、
やってみますと、チャレンジし、その結果、大学で一人だけ単位を取得でき、それがきっかけで今後もそのプログラムが継続することになったそうです。
高校卒業のとき、「周りの人のおかげで自分はここまでこられた。感謝の気持ちをサービス業という仕事で返したい」と言っていたとおり、サービス業の業界を志望し、今、就活中です。
この子に限らず、6年間預かった卒業生が苦戦しているのを見ると、親ばかなのかもしれませんが、「この子を取らないなんてどこを見ているんだろう、もったいない!」と悔しくなります。
「次が○○の最終面接です」などと報告された会社の人事が知人だったりすると、「連絡しちゃおうかなぁ」という衝動に駆られることもあります。(それでは長い目でみてその子の成長に繋がらないと、思いとどまっていますが。)
いつも、親御さんに「成長の為のハードルを先回りして取らないで」なんて言っている私ですが、お恥ずかしい。
さて、そうして頑張っている卒業生へ。
先日、大手企業で就職の面接をしている方々が学校にお越しになりました。「就活で苦戦している卒業生にアドバイスをしたいので」と、「どういう子をとりたいですか?」と聞いたところ、こんなお話が聞けました。
・ノウハウをどこかで学んでくるらしく、みな同じ話をする。(バイト・サークル。なぜか副部長とフロアマネージャーばかり。「人をまきこんで頑張りました話」)
そんな中で、出来事としては小さくても、本当にやったことのあること、本心から感じたことを語ると「響き」が違う。
・最終的に、一緒に働きたいかどうか。そして、上司からは、自分より仕事のできそうな人をとれと言われている。
・何人もの話を聴いているので、話が長いといやになる。短く自分の考えを論理的にまとめて話してくれると、頭がいいなぁと感じる。
・こういう経験をして、こうして壁を乗り越え、それを自分としてどう分析し、その後に活かしたかという実話が聴きたい。
・何人も見ていると、にわかに作った話は分かるので、何かにチャレンジし、達成感を得たり失敗を乗り越えたりした経験が大事。
・仕事はチームでするものなので、客観的に自分を見られる人がほしい。
・品女だったら、中高時代の経験を語れば、相手も興味を持つので話題としては最適なのでは?
苦戦の末に合格した卒業生が言っていました。
「あきらめかけたとき、本当は自分は何がしたいのかと何冊もノートに自己分析をし、ハッと浮かんだのが、品女時代、行事の実行委員をしてみんなに、ありがとうと言われ、号泣しているシーン。そこで軸を立てて面接に行ったら合格した」
「何社も落ちたあと、品女の友達と会ってビシバシ言われ、自分を取り戻し、開き直って自分を出したら合格した」
不採用通知が来た後、なんども手紙を書き続けて復活合格した卒業生もいます。
就職試験は大学入試とは違います。模範解答はないのです。大切なのは「自分の軸」です。
品女で過ごした6年間、卒業生のみなさんは、行事やクラブで、多くのもめ事を乗り越えて、みんなで一つのものを創りあげてきました。そして、他ではできない様々な経験をし、沢山のチャレンジをし、失敗から学んできました。
性格や見かけは様々で、押しの強い子ばかりじゃない。
でも、タフでしなやかで人が喜ぶことがうれしい、そんな種がどこかに必ず眠っているはずです。
うまくいかないことが続いて、心が折れそうになったときは、一人で悩まず、品女時代の友達に会ってみましょう。
そして、いつでもぶらっと学校に遊びに来て、私たちと話しましょう。
きっと自分のしたいこと、自分のいいところ、自分軸が見えてくるはずです。