3年能楽鑑賞
3年学年主任から能楽鑑賞の報告です。例年、修学旅行に重なっていましたが、私も今回、初めて伺うことができました。
ご説明は、無形文化財の関根祥六先生。
最後に、直接質問のやりとりもさせていただきました。
ハイ!と元気に手を挙げ、最初の質問は・・・
「面をつけているときにくしゃみをしたくなったらどうするんですか?」
ああ!人間国宝に~(冷や汗)
「くしゃみは生きている人間がするもの。この世のものという意識がないのでくしゃみをしたくなることはありません」
「咳はしたくなったことがあるかな・・・」 と、やさしいお答え。
その他にも勇気ある生徒達がいくつか質問をし、一つ一つ、丁寧にお答えくださいました。
終了後、楽屋に伺い、「初心忘るべからず」について、詳しいお話をしていだいて感激!(私、国文科なので)
生徒達は、本当に貴重な経験をさせていただき、日本の伝統文化の一端にふれることができました。
こうした中高時代の経験から、現在も能や狂言を楽しんでいる卒業生もいます。
品女で過ごす6年間、将来を豊かにする沢山の種を自分の中にまいてほしいと思っています。
そんな体験の一つ。明日からは2年生と一緒に新潟に行ってきます!(校長日記はお休みです)
中2の学年目標「日本のを知る」のまとめは、恒例となった『能楽鑑賞』です。
本来は3月12日に実施の予定でしたが、大地震で、学校に泊まった翌日のことなので、急遽中止に。
新年度になって、能楽師の関根祥六先生のご厚意で開催が決まりました。時間どおりに「仕舞」からはじまりました。最初が女性の舞「羽衣」、二つ目は勇壮な「巴」です。
観世能楽堂は、入場するとすぐに大きな屋根の舞台があります。
暑い日でしたが、ここは全くの異次元空間なので、生徒たちは神妙に舞台を眺めています。
緞帳もカーテンもない舞台で、突然始まり、しかも女性の舞なので、びっくりしていました。お話は、無形文化財の関根祥六先生。昨年までご指導いただいた関根祥人先生のお父様です。
ご高齢も感じさせない張りのあるお声に、生徒はお話に聞き入っていました。舞台の上に「作り物」が運ばれ、小さい囲いが家の中であり、主人公が出てくればそこが部屋の中になる。
常に「想像」することが必要です。「秘すれば花」
何もかもあらわにするのでなくたくさんのものを内に秘めているのが品格。
“足の運び”を見てその人のおかれた状況を想像する。想像するのが能の見方。「人は心身でできている」
身体の汚れは見えるものだから、汚れたら洗う。(なぜか花王石鹸で)
心は見えないもの。心が汚れたり傷ついたときは…、
「文化」(景色や国宝など)に触れて感動することで、「心が洗われる」という。「十五夜の見方」(7/15はちょうど十五夜でした)
1.月が出ていても見ないでとおりすぎる
2.月にチラと興味を持つ
3.月と話ができる
4.月に関して寄り添うことができる
5.月を題材に自分のものとして表現できる
能の特別な足の運びをクラスの代表生徒が習いました。
足袋を履いてキリッとした立ち姿がとても立派でした。
扇を使って体中で表現する、先生のご指導にしっかり答えていました。
目の前で能の衣装付けを見学しました。
これはふだんの演能では絶対に見られません。
立派な体格の男性が、悲しい過去を持った老婆に大変身です。
面(おもて)は角度によって表情が生きているように見えてきました。「能の鑑賞とは、夢の世界に入ることです…」、と先生のお話が終わり、
『安達原』(あだちがはら)が始まりました。最後の質疑応答では、「どうしたら能が分かるようになりますか」という質問に、
「たくさん練習をして下さい」とお答え下さいましたが、あとで校長先生とご挨拶にうかがった時には、「どうしたら分かるようになるか、と疑問を持った《自分》を好きになって下さい…と伝えて下さい」
との素敵なお答えをいただきました。初めての能楽を鑑賞して、関根先生のお話をうかがって、「日本文化」を堪能できたものと思います。