森永製菓コラボ授業⑤
中3総合学習の森永製菓企業コラボのその後です。
各チーム、高等部の意見を聞き作品をブラッシュアップし、プレゼン、クラス代表グループを決めました。
クラス代表に選ばれなかった子達はすぐに頭を切り換え、代表チームのサポートに回ります。代表チームはみんなの意見を採り入れ、フォント一つにもこだわって、何度も何度もコンセプトシートを書き直しました。
そして、いよいよ学年代表チーム決定へ。各クラスのコンセプトシートを1年から5年生の教室に掲示し、投票を行いました。最終結果は森永ご担当の方から発表、総評をいただきました。
優勝作品が決まり、生徒がわ~っと盛り上がったその後、な、なんと、ショックなことが!
その製品の目玉として生徒が考えたアイディアは、現在の技術では実現できないものだったのです。
がっくりする生徒達に、
「なぜできないと途中で言わなかったか、それは、みなさんに制限を設けず広く考えてほしかったから」とお話しがありました。
そして、「実は、今まで社内でも、できたらいいなとは思いつつ、不可能だからとそのままになっていたアイディアだったが、皆さんの意見を聞いて、やはりお客様にニーズがあると再認識した。持ち帰って、もう一度、実現可能性を考えてみる」とのお話しもいただきました。
生徒は真剣な顔で聞いていました。「あったらいいな」という理想と「できるかどうか」という技術的問題がぶつかり合う、一つの製品を世に出すまでの道のりの長さを実感させられる出来事でした。
*後日談:今、かなり「近い」ところまで来ているそうです。
*企業コラボ全体を通して、生徒の感想にこんなものがありました。
◆クラスで選んだアイディアについて先輩達に意見を聞き、その意見をもとにまたアイディアを推敲するという過程を体験できたことがとても印象に残りました。また、担当していただいた森永製菓の社員の方が、私達のどんな質問にも答えて下さり、商品を作るためにはその商品だけの知識だけではなく、沢山の知識が必要なのだと実感しました。
◆今回のプログラムの中で一番印象に残ったことは「決して不可能ではない」ということです。自分でも‘難しい’と思う商品のプレゼンをしたのに、指導して下さった担当の方は「こうしたらできる」といういろいろなアイディアを沢山私達に与えて下さり、すぐに“無理”だと諦めないことが大切だと感じました。
◆今回の体験で、様々なことを学びました。「いろいろな人の意見を取り入れるのは難しいこと」、「自分達が一番伝えたいこととは何かを考えることが商品開発には欠かせないこと」、「自分は良いアイディアだと思っていても、大勢の人にアンケートをとると必ずしもそうではないこと」、そして「ひとつのことに熱中して、人に喜んでもらいたいと思いながら何かをすることの楽しさ」・・・はじめは大変そうだと思っていましたが、何度もプレゼンをしたり、グループで話し合いをするうちに、いつの間にかすごく自分自身が楽しみながらやっていることに気づきました。
*そして、担任のブログにはこんな感想が
◆大人社会と子供社会の違いは「結果」と「経過」の重みだと思います。成長段階にいる子供たちにとって「経過」がいかに大切か、それは生徒自身が身をもって感じているようです。昨日書いた生徒の感想には「ハイチュウが1位になって嬉しかった」「TSUTAYAのプレゼンが選外で残念だった」という言葉もありましたが、一番多かった内容は「自分の好きなように考えるのではなく相手のために、しかも違う意見を持った人と一緒に考えていくことの大変さを学んだ」ということでした。
生徒に学校の力だけではできない貴重な社会体験をさせて頂き、森永製菓のみなさま、本当にありがとうございました。