創立の前のお話し
品川女子学院は1925年、漆雅子によって創立されましたが、彼女の心に「女子教育」という夢の種を蒔いたのは、創立者の父、漆昌巖でした。
縁あって、作家の林望先生が、昌巖の生涯をエッセイとして日経新聞に載せてくださいました。
ここには、町長だった昌巖が、莫大な公費を議会の承認なしに「あること」に使い、厳しく追求された時のエピソードが描かれています。
議会での釈明演説の際、実はこのセリフの前に「そうやって反対されると分かっていたから相談しなかったんだ」と言ったそうです。
今だったら辞職ものですね。
そうそう、他にもこんな話が。
宰相の原敬氏に喜寿のお祝いをどうやってやろうかと相談されて、「宴会は一時のもの、その金をもとに品川の少年少女の教育基金を作れば未来に人材が残せる」と全額寄付させてしまったそうです。
昌巖のモットーは「志願無倦(しがんうむことなし)」
志を立てたら、あきることなくまっしぐらにその夢に向かって進んでいく、という意味です。
彼が志を立てたのは11歳、いまなら中一入学前の年齢です。
本校の生徒も一人ひとりの夢に向かって、能動的に人生を創っていってほしいです。
(写真:漆昌巖)