2017年4月9日

特別講座「Swiftもくもく会」、5年生4名の学会参加報告

Filed under: 授業・学習・進学,日本,社会 — 漆 @ 5:36 PM

昨日の午後は、本校が協力しているスペシャルオリンピックスの全国大会で、有森理事長の基調講演の後、講演をしてきました。その帰り、北品川のトラストシティで行われていた桜祭りに参加している茶道部の様子を見に行きました。御殿山は小堀遠州ゆかりの地ということで、遠州流の野点があり、そのお運びをお手伝いしていました。初日はだいぶ緊張したそうですが、私が行ったときは、落ち着いてしっかりやってました。学校外の正式な場でお客様にお茶をお出しする貴重な経験になったと思います。

今日は、休日ですが、中学入試の模擬試験に会場をお貸ししており、保護者の皆様向けにお話をさせていただきました。

今年に入って行なったプログラミングの特別講座の様子を情報科の竹内から報告します。

P1050151 2月14日(火)と2月18日(土)の2日間、エンジニア・プログラマの間でよく行われる「もくもく会」を特別講座として開催しました。メンター役として株式会社Progateのみなさまにお越しいただきました。

「もくもく会」はその名の通り、ひたすらもくもくとプログラミングをする集まりです。今回は、情報の授業でも触れたiOSアプリを制作する「Swift」というプログラミング言語をもくもくと書いていきます。

P1050193 Progateさんから提供していただいたオンライン教材を使用し、各々が自分のペースで進めていきます。
P1050182 通常4時間かかる内容を1時間程で進める生徒もいて、さらに先へ進む、あるいは2周目(繰り返し)に入るなどして、各自ひたすらに「もくもく」していました。つまづいたらメンターの方々に教えてもらいます。

ひとりでプログラミングを学習しようとすると、なかなか気持ちも入りにくいのですが、複数人で集まって進めると集中して「もくもく」となります。

もくもくと学習する環境さえあれば、皆短時間で多くのインプットを得ることができる、と実感しました。この「もくもく」の状態を経験して欲しい、と思います。

今後もテーマを変えてもくもく会を開催したいと思います。

これからは、多様性を活かす時代。様々な人々との連携が必要になります。生徒の視野と、ネットワークを広げるため、校外の発表会、コンペ、学会などにも参加することを奨励しています。

地理学会に参加した生徒の様子を、引率の社会科、河合から報告します。

IMG_04603月28日、29日の2日間にわたって、筑波大学にて開催された日本地理学会2017春期学術大会にて、5年生4人がポスター発表を行いました。この発表は、2学期に家庭科の授業で行われたChallenge Based Learningの調査をもとに構成を練り直したものです。
日々、駅で見ず知らずの人とすれ違いざまにぶつかってしまうことに問題意識を感じ、解決するためにはどのような手を打つことができるかを調査してきました。CBLの調査では、実地調査から”人々が統一された動きをするのではなく、人々が複雑でかつバラバラの動きをするために動線が絡み合い衝突につながる”という原因を突き止め、その解決策について、渋滞学の第一人者である東京大学の西成活裕教授からご助言をいただくなど、精力的に調査を続けてきました。その結果、学校の食堂での混雑・衝突を抑制することにつなげることはできましたが、校外への発信機会を見つけることができず、消化不良で終わってしまいました。

IMG_2271その後、家庭科の授業で取り上げられた「居住地選択」や、地理の授業での「都市問題」に触れたことで、CBLでの調査を深めたいという思いに駆られ、東京西部の私鉄7路線のターミナル駅において追加調査を行い、「駅での衝突回数は、その沿線に暮らしている人々の特徴や地域性に関係があるか」というテーマで考察を行い、空間と地域性に関する研究ということで、高校生ポスターセッションが行なわれている学術大会のうち、日本地理学会のセッションに応募、採択されました。
IMG_2293全国各地から、地理学者や学校の地理教員、地図業界や行政関係者が集まる学会で、ポスターの内容について質問されると、1つ1つ丁寧に、堂々と説明をしていました。
参加者からは、「なぜ路線ごとに差異が出るのか、沿線の企業の特性や住民の家族構成の地図と重ねて考察しており、調査方法は一人前だと言える。仮説を結論に結びつける過程の論理は、修正再考の余地があるが、大人には気づくことができない、あるいは気づいたとしても『解決できないこと』として諦めてしまうような案件であることから、着眼点は素晴らしい。さらん日々の通学から着想を得て、自ら実地調査を企画し、完徹するところが素晴らしい。」というコメントをいただくなど、大いに反響がありました。
自分の考えを、論理正しく学術的に説明するという経験を積んだことで、5年生として最後の思い出にとどまらず、卒業後につながる貴重な経験を積むことができたことと感じています。