大学出張授業②明治大学情報コミュニケーション学部
大学出張授業の続きです。担当の大井より報告します。
本日は、明治大学情報コミュニケーション学部専任准教授の高馬京子先生においでいただき、「日本のカワイイ、フランスのkawaii:トランスナショナルコミュニケーション空間における文化形成」について講義していただきました。高馬先生は大学で英文学を学ばれ、ファッションメーカーの広報で流行を仕掛けるお仕事を経て、大学院でフランスとのファッションの比較を研究された後、リトアニアで生活され、現在明治大学で教鞭を執っていらっしゃる、という多彩な経歴をお持ちの方です。
海外に行くと日本のファッションが受け入れられており、フランスで紹介された「日本のkawaii」に驚かれたそうです。日本のポップカルチャーは、企業が情報を世界に向けて発信するだけでなく、個人の手で国境を越えて情報がつくられ、政府もそれを後押しする形で、トランスナショナル(越境する)コミュニケーションの中で、フランスで「日本のkawaii」が確立したそうです。(フランスの「kawaii 100% 日本」という本では、カワイイ第1位はキティちゃんだそうです。品女キティのお話をしたら、とても驚かれていました。)日本のkawaii文化が、海外で受容されていくお話を通して、国境を越えて文化が形成されていく事について、生徒の関心を持てる事例を題材に、わかりやすく説明していただきました。フランスでは、切手に描かれた人物表現にも、日本の漫画の影響を受けたものもあるそうです。このあたり、浮世絵がゴッホら印象派に与えた影響やジャポニズムとの共通性が連想されます。
ただ、日本のkawaii文化が「日本の宝」なのか、「大人になりたくない日本人の現実逃避」なのか、評価や認識にズレがあります。そのようなズレに対して、どう向き合うかが、これから皆さんが世界に出て行くときに、他者と尊重し合い、共有化しあうことでグローバルな人材になれる、ということで先生のお話は終了しました。
質疑応答では、大学での研究や留学についての質問もありました。「社会では当たり前とされることについて、異なる視点で見ることが、大学での研究。」とのお言葉に、生徒たちもうなずいていました。
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