卒業生のNPO創立
昨夜は教育再生実行会議に出た後、卒業生で芳葉会会長の藤森香衣さんのNPO設立の会に行ってきました。
二度目の成人式ということで振り袖。着付けは津田先生がしてくださいました。司会を自分でして仕切ってしまうところが品女DNA |
藤森さんはモデルとしてロート製薬、IBM、マクドナルド等のCMに出る傍ら、本を出したり、森林保護などの社会貢献イベントを企画したりと多方面で活躍していました。
そんなある日、年下の友人が乳がんになり、小さなお子さんを残して亡くなりました。「検診に行って」という言葉が頭に残って検査をしたところ、なんと自分にも乳がんが見つかり、片方の乳房を全摘出することになりました。
一時は外に出られないくらい落ち込んでいましたが、同じ思いをする人を減らしたいという思いで、立ち上がり、病気を公表し、モデルという立場を活かして検診の啓蒙、サバイバーのサポートなどの活動を始めました。
自分のことより人のこと、こんな卒業生がいるのよと、朝礼で在校生に話をしたところ、先輩をサポートしたいと文化祭の起業体験プログラムで乳がん検診の啓蒙をテーマに活動するクラスも出ました。
その後、昭和女子大学の坂東眞理子先生をご紹介し、藤森さんは、同大学のキャリアカレッジで起業の勉強をし、がん患者のサポート、啓蒙活動をする会社も起業しました。坂東先生もお忙しい中、お祝いに駆けつけてくださいました。
さらに昨年、たまたまトライアスロンのレースで久しぶりに会った知人から、奥様が危険性の高い乳がんになり、情報のなさに苦しんでいるという話を聞き、藤森さんを紹介しました。会った45分後に、「藤森さんは何がしたいの」と問いかけられ、あふれた想いに彼が賛同し、NPOを創立し、同じ思いで苦しんでいる人たちのサポートをしようということになったそうです。
彼は、弁護士と税理士の資格をもって仕事をしていたため、設立に関わる事務的な手続きはすべて行ってくれました。さらに、その知人でエグザイルなどエンターテイメント系のHP作成をしている会社の経営者を紹介してくれ、その方が、ちょうど、仕事だけでなく社会貢献をと思っていたタイミングでこのNPOのHPを作成してくれました。
会場にはそんな様々な縁で彼女をサポートしてくれる人たちが集まっていました。
自分の新たな出発の会でも、他のサバイバーの方、そして、震災で今、苦しんでいる方々のことを気にかけている藤森さんに、集まった友人たちが「こんなときまで人のことなんだから」と言っていました。
でも、自分のことより人のこと、人の喜びが自分の喜びになる、そうした心を持っている彼女だからこそ、縁がつながり、多くの方の助けが得られるのだと思います。
思えば、私たちの学校の歴史もそうでした。社会的には力の弱い女性たちが、震災で苦しむ人々の役に立ちたいと避難所を作って精一杯働いた。そこに助けてくれる多くの方の力が集まって、数年後に創立されたのがこの品川女子学院です。
その日から91年目の今、こうして、人の役に立とうと、自分に降りかかった困難を乗り越えて、一歩を踏み出す卒業生がいてくれることを誇りに思いました。
*谷川真理チャリティランイベントのお知らせです。
【がんばれ熊本!】チャリティーランニングイベント
谷川さんからのメッセージ「谷川真理・吉田香織らとともに、