将来もロボットに替わられない仕事は何か?
昨日の夕方、私学協会の会議へ出かけようとしたら、玄関前に白くて小柄のかわいい子が。「第一体育館はこちらです」と校内案内をしています。
ペッパーくんです。ヘッドウォータースさんとコラボで生徒たちがアプリを作って動かしているのです。ロボットと共存する未来をイメージし「学校にいてほしいペッパー」というテーマでアイディアを出し、プログラミングしました。「保健室に来た生徒を癒やす」「登下校の生徒を笑顔にする」などの案もでたそうです。詳しくはこちらにニュースが掲載されています。
昨日の昼休みには、日曜に櫻井よしこさん、山中伸弥さんの講演で登壇する生徒のスピーチを指導していたのですが、ここでもロボット、特にAI(人工知能)に支配されたり仕事を取られたりするのではと思うと怖いという話が出ていました。
最近、AIは私の関心事の一つです。生徒が仕事をする未来、どんな仕事が機械に代行され、どんな仕事が人間の仕事として残るのかを知っておきたいからです。
専門家に会い、「AIの苦手なことは何ですか?技術が進む未来を見越して子供達にはどんな力をつけておけばいいですか?必要のなくなる力は何ですか?」と聞いています。
AIは優秀な大人にできることが得意、一方、子供にもできることが苦手(イヌと猫の識別)と言われますが、そうしたことを認識する技術も今年、飛躍的に進歩したそうです。
先週も、AIの仕事をしている経営者にAIの苦手なことは?と質問したところ、
「AIは相関関係は分かるが因果関係が分からない。過去のデーターから分析することはできるが、全く新しいアイディアは出せない」との答えでした。
そこで、「では、誰も考えないようなクリエイティブなことを思いつくような子が活躍することになるんでしょうか?」「記憶や計算にすぐれていても、空気が読めない子はAIに取ってかわられるってことですか?」「歴史を振り返ると人は同じことを繰り返しますよね?政治や経営における決断はAIがサジェストできるってことですか?」「文学や映画でも、過去の人気を分析して売れるものは作れますよね、それと創造性の関係はどうなるんでしょう」などと聞きまくりました。
今後の技術革新でホワイトカラーの仕事の半分はなくなるとも言われています。そのとき残る仕事は何なのか?そのために今、中高生は何を身につけておいたらいいのか?
親も教員も目先のことだけでなく、未来と世界に目を向けて、将来、子供達が人の幸せに貢献できるような資質を育てて行きたいです。
ある、カンファレンスで人工知能の第一人者といわれている東大の先生がこんな質問をされていました。
「今注目されている分野で、先生は世界から引く手あまたでしょう?収入も研究環境も海外の方が格段に恵まれているのにどうして日本に留まっているのですか?」
そして、こう答えたのが心に残りました。
「人工知能についての質問をされているうちに、逆に人間とは何かということを深く考えるようになった。人間にとって大切なこと、幸せなことは回りの人間の役に立つことだと思う。私も回りの人が大切なので、自分にとって、より身近な日本という国で研究をしていきたいと思っている」
8月に本校会場で行ったディベート&スピーチ競技会NFLJの映像ができあがりました。本校の生徒が出ています。このテーマも人工知能でした。
*夢を叶えるため、協力者を得る方法も進化しています。このキーワードもシェアのようです。これからは、人と分け合うことのできる素質が最も大切だと感じます。