起業体験表彰式
代休があけ、高等部は朝のHRの時間に起業体験の表彰式を行いました。 4,5年生ともなると、生徒会、部活、委員会、クラスの責任者、複数の大切な役割、まさにマルチタスクを担います。どれをどのくらい大切にするかのバランスは一人一人違い、そこに温度差も生じます。起業体験の中で次々と起こるトラブルはもちろん、人間関係のもめ事もたくさん起きます。 そのつらさや困難さを体験することことこそがこのプログラムの目的です。
将来、一人でできる仕事はありません。つらい思いをし、いろいろな立場を経験するほど、人の気持ちが分かるようになり、チームで仕事ができる人に育ちます。失敗し、それを乗り越えるたびに、対応力、レジリエンス(折れない心)が養われます。
これから女性の活躍する時代に向け、実際に起業をする子も出てくるでしょう。品女で過ごす6年間の体験を土台に人の幸せに貢献するような大人に育ってくれることが願いです。
このプログラムは学校の文化祭という制約条件の多い中で行っているため、お客様にいろいろとご迷惑をおかけしてしまうこともあります。昨年、うまくいかなかったことを変えたら、別のデメリットがでてきてしまうなど、あちらをたてればこちらがたたず、といったことが避けられないのが現状です。
生徒達もその中で悩み悩み、土曜から日曜へ、今年から来年へと毎年、改善していっています。お客様からいただいたご意見は、教員も生徒もみんなで共有し、活かさせていただきます。ご来場、ありがとうございました。
結果発表と、入賞クラスへの教頭からの講評です。
今年度は合計得点の差が少なかった上に、広報力、企画実行力、展示力、業績力の各部門を、一部は同点で1位という形で上位の3クラスが分け合う結果となりました。それだけ、上位3クラスの完成度が高かったということになります。同時に、この部門の枠組みや合計得点差を超えてまで特別に評価すべき新たな挑戦は、今年度は見られませんでした。そこで、総合1位から3位までのクラスをそのまま表彰し、1位のクラスを最優秀賞と致します。
まず、総合第3位は、5年Dクラスです。 迫力あるちぎり絵等の装飾、BGM、線香花火のお土産と、和のイメージを巧みに演出していました。お客様への対応も丁寧で、日本的なおもてなしの心遣いが表現されていたと言えます。ROEの値も適切で、株主に対する配当もしっかりと出しており、見事な企業運営であったと思います。
次に、総合第2位、5年Bクラスです。 横浜駅でのティッシュ配りや駅でのアナウンス等、校外でもマナー向上運動に取り組み、企業理念の実現と結びつけた点を高く評価したいと思います。販売商品の協力企業に加え、大学やJR等、多方面とのコラボレーションを展開していた点も優れていました。ストーリー仕立ての展示の流れは、企業理念を印象的に伝えるすばらしいものでした。
最後に、総合第1位は、5年Aクラスです。 身近な数学の知識を多数紹介するだけでなく、一つ一つの展示に工夫が凝らしてあり、お客様が実際に触れる機会を上手に作っていました。数学の魅力を伝えようとするクラス全員の強い想いが伝わってくる展示で、数学の見方を180°変えるという企業理念を実現することに成功していました。また、広報ブログでの発信力も極めて優秀なものでした。単に更新回数が多いということではなく、進捗状況を分かりやすく、タイムリーに報告していました。
以上、総合的な完成度が高かった5Aが、総合第1位、最優秀賞です。 賞に入らなかったクラスも、それぞれに工夫して、よく努力していたと思います。4年生はこの経験を活かし、今年の入賞クラスのレベルをボーダーラインにするぐらいの気持ちで、来年はより一層の挑戦をしてください。また、5年生にとって起業体験プログラムはこれで終わりですが、むしろここがスタートラインだと思います。この経験を活かして、様々な場面でぜひ挑戦を続けてほしいと思います。
うまくいったことはなぜうまくいったのか、失敗したことはなぜ失敗したのか、結果だけでなく、プロセスを総括することで、偶然の成功や「よい失敗」を分類し、将来に活かしていってほしいです。
中等部、高等部のクラスの写真と株主総会の様子は来週、ご紹介します。